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「ストレッチ」「腹筋」の思わぬ落とし穴

走る上ではかえってマイナスになることも。 骨ストレッチ•ランニング③

テレビや雑誌などでとりあげられ、いま話題の「骨ストレッチ」。その第一人者で元陸上短距離選手。著名アスリートの動作改善を指導している『骨ストレッチ・ランニング 世界一、ラクに走れる!』著者松村卓さんに、ストレッチと腹筋運動の思わぬ落とし穴について聞いた。

怪我の原因を作るストレッチ

 

 運動選手にケガはつきもの。とはいっても、その原因は意外なところ、ストレッチにあることをご存知でしょうか。

 私自身、短距離のスプリンターだった現役時代、ウォーミングアップやクー
ルダウンに時間をかけ、入念なストレッチを行っていました。

 ストレッチの効果を疑いもなく信じていたからですが、現実にはケガが絶え
ず、予防効果はほとんど実感できませんでした。誰よりもストレッチを行って
いるはずなのに、なぜケガばかりするのか? その理由がわからず、悔しい思
いばかりしていたのです。

 いまならばハッキリと言えますが、ストレッチで伸ばされるのは、腕や肩、
太ももなど体のほんの一部分だけです。

 そして私たちの体は、こうした個々のパーツが独立しているわけではありません。走るという行為一つとっても、体全体で一つの動作を行っています。ストレッチで、その動作が改善されるとは限りません。かえってバランスを崩し、思うような走りができなくなることのほうが多いのです。

 たとえば、輪ゴムのある部分ばかり伸ばし続けていると、逆に弾力がなくな
り、最後はプツリと切れてしまいますね? この「弾力のなくなった輪ゴム」が「ストレッチした筋肉」にあたります。筋肉と重ね合わせた場合、腕や足を入念に伸ばしていくことで、炎症や肉離れ、関節痛などが起きやすくなるのです。

 
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松村 卓

まつむら たかし

スポーツケア整体研究所株式会社代表。骨ストレッチ創始者。1968 年生まれ。中京大学体育学部体育学科卒業、陸上短距離のスプリンターとして全日本実業団6位などの実績を持つ。引退後、ケガの多かった現役時代のトレーニングを根底から見直し、筋肉ではなく骨の活用に重点を置いた「骨ストレッチ」「骨ストレッチ・ランニング」などを開発。アスリートの動作改善から、一般向けの健康・美容指導まで幅広く活動している。


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