青春期の最重要課題=「自己実現とか、社会への貢献とか御託並べずに、まっすぐにカネ欲しさに働く!」(藤森かよこ【馬鹿ブス貧乏】⑩) |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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青春期の最重要課題=「自己実現とか、社会への貢献とか御託並べずに、まっすぐにカネ欲しさに働く!」(藤森かよこ【馬鹿ブス貧乏】⑩)

仕事について [苦闘青春期(37歳まで)] 


「誰も本当のことを言わないから、ブスで馬鹿な私が本当のことを言う!」と元祖リバータリアン(超個人主義的自由主義)アイン・ランド研究の第一人者である作家・藤森かよこ氏がペンで立ち上がった。
 氏のものした『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』(KKベストセラーズ)は4刷を超え(以下、「馬鹿ブス貧乏」と表記)、多くの女性を勇気づけた「革命の書」である。アラフォー読者からの要請が殺到。今月21日より、第2弾
『馬鹿ブス貧乏な私たちを待つ ろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。が出版される。
 そこで、今回、藤森氏のご厚意に預かり『馬鹿ブス貧乏』の長いまえがきから第1章まで再構成し、「若いほど」役立つと低スペック女子が37歳までにやるべき本当のことを転連載で教えてくれる。まさに「馬鹿ブス貧乏」で生きるしかない女性が最高に幸せになる本当のサバイバル術である!


■食える職に就ける勉強をする

 

 あなたは貧乏なので、賃金労働をして生活費を獲得しなければならない。引きこもるとかニートになるとかの選択肢はない。あなたの親にも、あなたがそうなることを受け入れる余裕はない。

 貧乏なほうが迷う余地なく労働市場に飛び込んでいける。自己実現がどうたらとか、社会への貢献がなんたらとか御託(ごたく)並べずに、まっすぐにカネ欲しさに働ける。

 仕事というのは、賃金の報酬が発生する作業のことだ。あなたには、タダ働きのボランティアなどしている余裕はない。人助けよりも自分の経済的自立の実現が先だ。

 そのためには、需要のある職に従事できる資格を得る。技術を習得する。それも経験が生かせ、健康である限り続けることができるような職種に就くことが大事だ。

 有名大学に進学しても、就職に結びつかないのならば無意味だ。虚栄心や見栄から進学先を選んではいけない。偏差値の高い有名な大学を卒業しても、経済的自立ができないのならばしかたない。

 大学に進学するのならば、学部学科選びは慎重に考える。生きていく時代状況が違うので、親の意見は参考にならない。学校のことしか知らない教師の意見も参考にならない。あなたが情報弱者の多い地方在住ならば、周囲の大人の意見はいっさい参考にできない。

 ほんとうは、将来どうやって生活の糧(かて)を得るかについて考えたら、夜も眠れない状態になるのが正常だ。なのに、日本では平和と繁栄の時代が続き、人々の意識が弛緩(しかん)して、貧乏人の子どもでさえ真剣に仕事や職種のことを考えなくなった。

 和田秀樹の『年代別 医学的に正しい生き方 人生の未来予測図』(講談社現代新書、2018年)には、慶応大学や早稲田大学を卒業してから、看護大学や看護学校に入学しなおす女性たちの例が紹介されている。早稲田や慶応を卒業してさえ、女性にとって、リタイアするまで年収500万円以上を確実に確実に稼げる職は限られている。

 あなたは馬鹿だから、たぶん理系ではないだろう。現代と未来において、文系人間が食べてゆく道は険(けわ)しい。文系人間でも従事できそうな理系や工学系の仕事について考えるか、もしくは何らかの国家資格を取る。

 人工知能が人間の仕事を奪うと心配されているが、大丈夫だ。人間相手の仕事には人間しかできないことがある。できる仕事は必ずある。

 男選びは間違えても何度でもやり直せる。しかし仕事選びに失敗することのロスは大きい。男がいなくても食ってゆけるが、仕事がなければ食ってはいけない。

 基本的人権として、国民なら誰にでも無条件に一定額の現金給付がされるベイシック・インカム(basic income)の導入について、昨今(さっこん)はいろいろ書かれるようになっている。エノ・シュミットと山森亮と堅田香緒里(かただ かおり)と山口純著の『お金のために働く必要がなくなったら、何をしますか?』(光文社新書、2018年)など読むと面白い。

 とはいえ将来日本においてベイシック・インカムが実現する可能性は低い。毎月20万円給付されたとしても、もっと給付額を増やせと要求する国民は多いだろう。日本国民になれば一律現金給付があるとなれば、日本人になりたがる人々が増えるだろう。財源には限りがある。無理。

 万が一ベイシック・インカムが実現したとしても、あなたが仕事をすることには変わりない。日本国憲法第二五条や生活保護法が国民に保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を維持できるだけの現金があらかじめ前提として国民個人に給付されることになれば、仕事について悩むことから解放されるということは断じてない。金なんて、いくらあっても足りないのだから。人間の欲望を舐(な)めてはいけない。

 ともかく、ブスで馬鹿で貧乏なあなたの青春期の最重要課題は、自分の容貌の改善と食ってゆける仕事獲得だ。いくらなんでも遅くとも37歳になるまでには経済的自立ができているように奮闘してください。

 

(第11回につづく馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』より再構成

KEYWORDS:

年末年始「最大」の問題作
低スペック女子(馬鹿ブス貧乏)
「ホンネ」の生き残り術第2弾‼️

藤森かよこ・著
『馬鹿ブス貧乏な私たちを待つ ろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。』

12月21日より全国書店・アマゾンほかにて発売‼️

 

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藤森 かよこ

ふじもり かよこ

1953年愛知県名古屋市生まれ。南山大学大学院文学研究科英米文学専攻博士課 程満期退学。福山市立大学名誉教授で元桃山学院大学教授。元祖リバータリアン(超個人主義的自由主義)である、アメリカの国民的作家であり思想家のアイン・ランド研究の第一人者。アイン・ランドの大ベストセラー『水源』、『利己主義という気概』を翻訳刊行した。物事や現象の本質、または人間性の本質を鋭く突き、「孤独な人間がそれでも生きていくこと」への愛にあふれた直言が人気を呼んでいる。  

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