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日本人は「ロヒンギャ」を自分事にできるか

【ロヒンギャ】を根本敬氏が徹底解説3/3

日本のメディアは正しく報じているか

根本…ちなみにメディアの話題でもう一つ。海外メディアに比べて日本のメディアがアウンサンスーチーさんにあまり否定的でないのは理由があります。実は、日本のメディアはヤンゴンにいるミャンマー政府のスポークスマンの話を情報源にすることが多い傾向にあります。すると、政府批判には繋がりづらいわけです。反対に欧米のメディアは難民が出ている現地バングラデシュに契約記者を送って情報を得るので、勢いアウンサンスーチーを非難する記事が多くなります。

シズカ…日本の記者さんもがんばってほしいですね。

根本…事実、欧米のメディアはバングラデシュやミャンマーのラカイン州に入るべく、あの手この手を使って入ろうとしていると聞きます。とにかくメディアの方には継続的に、情熱を持って報道を続けて欲しいと思いますね。日本のメディアは大きな問題があると洪水的に報道しますが、すぐに冷めて次の話題に移ってしまいますから。まるで問題が解決したかのように引いていきますよね。たとえば「シリア難民」はまさしくそうでしょう。

トオル…あったあった! 確かに最近はニュースでも全然聞かないな。

シズカ…もう解決したような雰囲気だわ。

根本…まだ問題は解決していません。ちなみに「シリア難民」が盛んに報道されていた時期、上智大学の推薦入試の受験生たちに面接で「気になっているニュースは?」と聞くと、ほとんど10人中10人が「シリア問題」と言っていたのを思い出します。その前はエボラ熱。今年はロヒンギャと北朝鮮問題でした。やはりメディアの影響力は大きいですよ。

トオル…もちろんそういうメディアの影響もあるんだろうけど…正直こういう難民問題ってなかなか自分から関心を持ちづらい部分もあると思うんです。

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根本 敬

ねもと けい

1957年(昭和32年)生まれ。国際基督教大学大学院比較文化研究科博士後期課程中退。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授などを経て、上智大学外国語学部教授。専攻、ビルマ近現代史。


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