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今さら聞けない「ロヒンギャ」差別の原因

【ロヒンギャ】を根本敬氏が徹底解説1/3

「今さら聞けない」ニュースのキーワードについて、「分からないことはなんでも聞いちゃう」いまドキの社会人、トオルくんとシズカちゃんが第一人者の先生たちに話を聞いていきます

「民族」として認められていないロヒンギャの人たち

衝突を受け隣国に避難するロヒンギャの人々
写真:ロイター/アフロ

トオル…テレビで見たんだけど、ミャンマーで難民が問題になってるんだね。

シズカ…「ロヒンギャ」と呼ばれる人たちね。今、隣のバングラデシュにかなりの人が避難しているとニュースで聞いたわ。

トオル…でも正直僕、「ロヒンギャ」と言われてもピンとこないんだよね。少数民族の一つなんだろうなという認識しかなくて。

シズカ…専門家の先生に聞いてみない? ビルマ近現代史を専門とする上智大学総合グローバル学部の根本敬教授、教えてください! そもそもロヒンギャの人たちはなぜ難民にならないといけなかったんでしょう?

根本…国際社会では大きな問題になっていますが、まずミャンマーの人たちはロヒンギャを「難民」とすら思っていないでしょうね。

トオル…それはそもそも関心がないってことですか?

根本違います、ロヒンギャを「民族」だと認めていないからです。それはミャンマーの政府も国民も、ですね。彼らからするとロヒンギャは“勝手にミャンマーに来て不法滞在している”人達であり、難民ではなく「不法移民の集団」という認識です。

トオル…えっ、「ロヒンギャ」は「民族」ですらない? ちょっと混乱してきました。

 
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根本 敬

ねもと けい

1957年(昭和32年)生まれ。国際基督教大学大学院比較文化研究科博士後期課程中退。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授などを経て、上智大学外国語学部教授。専攻、ビルマ近現代史。


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