世界一の投資家・バフェットが1セント硬貨を拾い上げて言った言葉 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

世界一の投資家・バフェットが1セント硬貨を拾い上げて言った言葉

お金を「どう使うか」が難しい。ウォーレン・バフェットに学ぶお金の本質④

ハサウェイ株の大部分を財団に寄付

 だからこそバフェットは築き上げた富を自らの豪華な生活に浪費することもなければ、子どもたちにまるごと継承することにも関心がありませんでした。資産家の家に生まれたという理由だけで子どもたちが大金持ちになるのは「アメリカ的ではありません」し、お金を持つ者には持たざる者のことを考える義務があると考えていました。こう話しています。

「幸運な1%として生まれた人間には、残りの99%の人間のことを考える義務があります」

 そう考えたバフェットは2006年、自分が持つハサウェイ株の大部分を、ビル・ゲイツが運営するビル&メリンダ・ゲイツ財団に寄付する決断を行っています。それ以前にも自分の財団を持ち、慈善事業話行っていましたが、ビル・ゲイツの財団は規模も大きく、自分が行うよりも上手に、最後の1ドルまで世界のために使ってくれると信じたからこそ自分の資産を託すという決断を行っています。

 お金は稼ぐのも難しいのですが、どう使うかはさらに難しいとも言われています。投資家はどれほどのお金を稼いだかで評価されることかが多いのですが、バフェットは投資家として圧倒的な成功をおさめながら、その一方で「どう使うか」についても素晴らしいお手本を示したことで投資家としてだけでなく、経営者として、また人間としても尊敬される存在となったのです。

 バフェットがやっている「好きなことを一生懸命にやる」「良き習慣を身に付け、原理原則やルールに忠実に生きる」「お金を無駄にしない」は決して突飛なことではありません。誰しもが知ることですが、実はこうした当たり前のことを当たり前に実行するというのはとても難しいことです。大切なのは「当り前のことを当たり前にとことんやり続けること」です。その答えがバフェットの成功なのです。

【連載記事一覧:ウォーレン・バフェットに学ぶお金の本質

KEYWORDS:

オススメ記事

桑原 晃弥

くわばら てるや

1956年広島県生まれ。経済・経営ジャーナリスト。慶應義塾大学卒。業界紙記者、不動産会社、採用コンサルタント会社を経て独立。人材採用で実績を積んだ後、トヨタ生産方式の実践と普及で有名なカルマン株式会社の顧問として、『「トヨタ流」自分を伸ばす仕事術』(成美文庫)、『なぜトヨタは人を育てるのがうまいのか』(PHP新書)などの制作を主導した。著書に『スティーブ・ジョブズ名語録』(PHP文庫)、『ウォーレン・バフェット成功の名語録』(PHPビジネス新書)、『伝説の7大投資家』(角川新書)、『トヨタのPDCA+F』(大和出版)など。バフェット関連書籍多数。


この著者の記事一覧