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女性自殺者が増加。反出生主義者で「地球は地獄だ」と思っている私が自殺しない理由(藤森かよこ)

『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』を自殺者予備軍の女性に薦める!

■「自分は馬鹿でブスで貧乏だ!」と認めてしまえば、ラクになる

 気楽で自由な世渡りには邪魔な類のプライドや虚栄心や見栄を失くすためには、拙著の『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』(KKベストセラーズ、2019を読むのをお薦めする。女性読者が対象ではあるが、男性にもお薦めする。

 「自分は馬鹿でブスで貧乏だ!」と認めてしまえば、ラクになる。どっちみちゼロかマイナスの人生じゃないですか、何を気にすることがあろうかという気持ちになる。落ち込んだら上を見てはダメだ。下を見る。トイレが詰まらずに水がちゃんと出るというような、ささやかなこと(決定的に重要なことでもあるが)に喜べばいいのだ。

 『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』は、世間に流通している一般通念、思い込みでしかないものに囚われやすい頭の硬い素直で立派な優等生気質の方々にもお薦めする。

 これからも、今までと同じくろくでもない時代だし、一時はもっとろくでもない時代になるだろう。頭の硬い素直で立派な優等生気質の人にとっては、無駄に負荷が増えて無駄に悩むことになりそうだから、その頭にちょっと軽く毒を注入しよう。

 ともかく、カネがなく餓死しそうならば、役所でカネを貸してくれる制度もある。生活保護も受けることができる。申請書は何枚もあって、ややこしいが。福祉事務所に静かに強引にいろいろ相談しよう。窓口の公務員は慇懃無礼で親切ではないかもしれないが、どうせ行くところがないのだから、毎日役所に通えばいい。受給できるまで粘ろう。役所にいれば、光熱費もかからないし水道代もかからない。シャワーがないのは残念だが。https://www.spstj.org/archives/22

 貧困支援NPOに行って相談するのもいい。検索して、どこかの教会で炊き出しをしていないか調べるのもいい。東京23区ならば、ホームレスのための炊き出しを、雑誌のThe Big Issueが行っている。

https://bigissue.or.jp/action/guide/tokyo_takidashi/

 アメリカの貧困層でフードスタンプ受給者(アメリカの生活保護は現金給付ではなく食料引換券支給)が行くスーパーマーケットには賞味期限切れのパスタや小麦粉や缶詰が置いてある。賞味期限切れでも食えるからいいのだ。生ものの豆腐でさえ、夏でなければ、賞味期限10日越えでも食える。缶詰など賞味期限10年過ぎても大丈夫だ(と思う)。SNSで賞味期限切れ食品の寄付を募ってもいいではないか。

 徹底的に生き、生き尽くし空っぽになって死を迎えるならいざしらず、この世界に怨念とか未練とか哀しみとか残して自殺すると、残した感情があなたをこの世界に結びつけてしまう。すると、あなたはまたこの世界に生まれるはめになる。

 このろくでもない世界に私たちが生きているということは、私たちの中に、このろくでもない世界と呼応するものがあるからだ。この世界のろくでもなさが、私たちの中で無効になり忘却されるまで、覚めながら夢中に生きよう。

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藤森 かよこ

ふじもり かよこ

1953年愛知県名古屋市生まれ。南山大学大学院文学研究科英米文学専攻博士課 程満期退学。福山市立大学名誉教授で元桃山学院大学教授。元祖リバータリアン(超個人主義的自由主義)である、アメリカの国民的作家であり思想家のアイン・ランド研究の第一人者。アイン・ランドの大ベストセラー『水源』、『利己主義という気概』を翻訳刊行した。物事や現象の本質、または人間性の本質を鋭く突き、「孤独な人間がそれでも生きていくこと」への愛にあふれた直言が人気を呼んでいる。  

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