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中国では規制も。ICOはこれからどうなるのか?

仮想通貨で知る、ブロックチェーン入門③

連日、ニュースの見出しにブロックチェーンおよびビットコインという言葉が踊っている。1990年代のIT革命以上であると言われている、ブロックチェーンのインパクトとテクノロジーの進化が巻き起こす第4次産業革命を直前に控え、我々はどう備えればいいのか。『ブロックチェーン入門』の著者、森川夢佑斗氏が解説。今回は、メディアを騒がせている「ICO」について。

新たな資金調達方法のICOとは?

 

 ビットコインをはじめとする仮想通貨(暗号通貨)が注目を浴びるなか、ICO(ビットコインなどの仮想通貨を使った資金調達方法である<イニシャル・コイン・オファリングの略>)という言葉も目にすることが増えたのではないでしょうか。

 瞬く間に数十億円といった巨額の資金が集まることもあり、新たな資金調達手段として注目されるICO。多くの可能性を秘めるICOですが、流行りに便乗した詐欺などが横行していることから、各国で規制が始まっています。今回は、そんなICOについてと、今後についてお話します。

 ICOとは、資金調達を行いたいと考える企業もしくはプロジェクトが、独自にブロックチェーン上でコインまたは「トークン」と呼ばれるデジタル資産を発行し、それらを販売することで資金調達を行うクラウドファンディングの一種です。

 ICOは、「クラウドセール」や「プレセール」、「トークンセール」とも呼称されます。

 コインやトークンの発行自体は、企業から個人まで誰でもブロックチェーン上で行うことができます。発行されるコインやトークンの種類は、「通貨型」と「資産型」の2つに大きく分類することができます。

「通貨型」は、プロジェクト内のサービスを利用するための使用料やビットコインのようにブロックチェーンそのものに利用されるものがあります。

 一方の「資産型」は、金や土地の所有権を示すものや、特別なコミュニティへの参加権となるもの、プロジェクトの収益の分配を受けることができるもの(「ロイヤリティトークン」とも呼ばれます)まで様々なものが存在します。

 発行されたあとは各取引所の許可さえあれば取引所で自由に売買が可能となります。

 ICOによっては実施した1週間後に取引所に上場し、売買が開始された例も存在します。ICOの場合は市場での売買開始までのスパンが短いことも、盛り上がっている理由のひとつでしょう。

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森川 夢佑斗

もりかわ むうと

京都大学在学中にAltaApps株式会社を創業し、仮想通貨のウォレットアプリ開発やブロックチェーンに係るコンサルティングを行う。現在は、株式会社Gincoの代表取締役として、仮想通貨時代の新たな銀行の構築を目指す。著書に『ブロックチェーン入門』(ベスト新書)、『一冊でまるわかり暗号通貨2016~2017』(幻冬舎)など。


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