Q4 (本書の帯に)「イギリス人100名に徹底取材!!」とありますが、どのように100名の取材相手を見つけたかのでしょうか? また、取材方法などもお聞かせください。

井形 私は1970年代の終わりごろからからずっとイギリスに通い続けています。最初はインタビューという意識もなかったのですが、だんだんと「イギリスの人は日本をどう思っているんだろう」と思うようになってきました。

イギリスを訪れるたびに、「イギリス人は日本のことをどのくらい知っているのだろう?」と思い、この疑問をときには取材対象の人に、ときには偶然知り合った人に尋ね続けました。そして、日本に帰ってきた際には、日本に住むイギリス人にも聞いてまわりました。また私が編集長をつとめる英国生活情報誌「ミスター・パートナー」でも「Tell me about Japan」というイギリス人に日本について尋ねるコーナーがあります。

実際に取材をした人は優に100名を越えていますが、今回はそのうち100名に厳選してこの本を作ったという感じです。

 

Q5 日本がイギリス人にとって魅力的な国であることはいつごろから意識されましたか?

 

井形 15年来の付き合いになる、私の最も尊敬しているイギリス人の先生は、日本に住み、教師を続けています。イギリスではジョージ・ハリスンの本の担当もしたその先生と付き合い始めて5年くらい経ってから、「こんなにも頭が良く、社会情勢を見極められるこの優秀な人が、なぜ日本を選んだのだろう?」と思うようになったのです。そこから、私自身も「日本の魅力」を意識し始めました。もうひとつは、仕事や観光で日本にやってくるイギリス人たちを見ていると、その多くが「日本ファン」になること。日本人としては誇らしくもありますが、「なんでだろう?」とも思います(笑)。

 

Q6 フランス人でもドイツ人でもなく、イギリス人だからこそ日本に惹かれる理由は何かありますか?

井形 まず、ともに島国で君主制で文化度が近いせいか、日本人もイギリス人も、お互いにすごく好感を持っていると思います。日本人が英語文化に馴染んでいるためかもしれません。フランス人やドイツ人の母国語は英語ではありませんので、英語圏とは微妙に文化が違います。

そして、イギリス人は古びたものが好き。日本人も街並みこそ崩れてしまいましたが、お寺や神社など、非常にノスタルジックなものを大切にします。それがイギリス人には理解しやすい感覚なのです。

それからイギリスは、コマーシャルタイプの旅行があまり好きではありません。彼らの旅行は人とのふれ合いをすごく大事にしているというか、おもしろがっている。それでいて、ケチです(笑)。ですから、安価で風情のある民宿や食堂、温泉……、そういうものがある日本に惹かれている部分もあるのでしょう。