チョコレートの食べ方から読む藤井四段のスゴさ。加藤一二三氏が見た「気遣い」とは? |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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チョコレートの食べ方から読む藤井四段のスゴさ。加藤一二三氏が見た「気遣い」とは?

加藤一二三さん9月毎日更新 Q7. 加藤一二三九段の目には藤井聡太さんはどう写りますか?

“62歳差”が話題を読んだ、加藤一二三九段と藤井四段の対局。盤上の戦いぶり以外でも、加藤一二三氏は、藤井聡太氏のすごさを感じとったという。カマンベールチーズのちチョコレートに見えたもの。

午後3時頃に私が好物のカマンベールチーズを食べましたら。。。

 藤井四段とは実際に対局をして感じましたが、非常に気遣いができる方ですね。

 藤井さんとは、昨年の12月24日に読売新聞社主催の竜王戦で対局をしました。そのとき、将棋会館に訪れた報道陣が50名あまり。これは将棋会館における新記録です。私が42歳で名人になったとき、将棋会館に来ていたテレビの報道陣といえば、NHKのニュース班だけ。当時は民放テレビが将棋のニュースを流すということはなかったですからね。

 多くの報道陣に囲まれながら対局が始まったわけですが、午後3時頃に私が好物のカマンベールチーズを取り出して食べましたら、少し間を置いて藤井さんがチョコレートを食べ始めたんですよ。私はそれを見て非常に感心しました。藤井さんは私がおやつを食べ始めるのを待ってから私の後に食べたんです。

 別に、私がカマンベールチーズを食べる前に、藤井さんがチョコレートを食べてもまったくマナー違反でもないですし、失礼な行為でもありません。それでまず私は感心したんですよ。

 将棋界の上下関係でいいますと、昼飯を注文する際に「後輩は先輩よりも高価なメニューを頼んではいけない」というような暗黙のルールはないのです。例えば、藤井四段がうな重を食べて、私がラーメンを食べても全然気にしません。本来将棋界は、先輩後輩で食べ物に関してはそういった気遣いが一切必要ない世界なんですね。

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