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【今さら聞けない仮想通貨入門】どうやって手に入れる? 保管の仕方は?

仮想通貨で知る、ブロックチェーン入門②

仮想通貨の保管方法

 では、手に入れた仮想通貨をどのように保管するべきかについても触れていきます。

・取引所に預けておく

 取引所で、日本円と交換して仮想通貨を手に入れた場合は、取引所にそのまま自分の仮想通貨がある状態になっているかと思います。

 もちろん、一度仮想通貨に交換してから、また良いレートの時にすかさず日本円に戻したいという時は、そのままにしておいて良いでしょう。

 しかし、売買せず長期的に保有しておきたいという場合や、高額な仮想通貨を保有している場合は、注意が必要かもしれません。というのも、取引所に預けている状態では、万が一に取引所がハッキングにあった場合、自分の預けている資産が無くなってしまう可能性があるためです。2014年におきたマウントゴックス事件が有名な例です。

 もちろん、取引所の運営会社からの補填が行われる可能性が高いですが、一部返却されない、もしくは引き出したい時に引き出せないという事態にもなりかねません。そういったことを避けたい場合は、後述するウォレットに仮想通貨を移動させておくことが賢明でしょう。

・ウォレットを利用する

 仮想通貨を保有するための専用のアプリケーションが存在し、スマートフォンやパソコンで利用できます。

 かつては、ひとつのアプリケーションは、ひとつの仮想通貨専用というものが多かったのですが、最近は弊社の提供するAlta Wallet(アルタウォレット)のように複数の仮想通貨に対応したウォレットが主流となってきています。

 イメージとしては、Tポイントを貯めるためにはTポイントカード、楽天ポイントを貯めるには、楽天ポイントカードがそれぞれ必要だったのが、ひとつのカードを持っているだけでいろいろなポイントを貯めたり利用できるようになったといった感じです。

 仮想通貨を自身のウォレットアプリケーションの中で保管している場合は、前述のように取引所がハッキングを受けてしまうことによる影響はありません。

 ただし、自分のお金を入れている財布をなくさないようにするのと同様で、アプリケーションの入ったスマートフォンやパソコンの取扱には気をつける必要があります。誤ってアプリケーションを消してしまったり、端末を紛失や盗難に合わないようにする必要があります。

 万が一、そのようなことになってしまってもデータの復元が可能なウォレットアプリケーションが多いので、ガイドに従ってバックアップなどの手続きは必ず行っておくべきです。

 その他にも、USBメモリーのような端末の中に保管するハードウェアウォレットや、紙に暗号化したデータを印刷することで保管するペーパーウォレットというものが存在します。これらは、外部からの盗難リスクを下げるという点では有効ですが、その分管理方法も少々複雑なため、最初はウォレットアプリケーションを利用して慣れてきてから利用するのがよろしいでしょう。

 仮想通貨の利用には、最初戸惑う部分もあるかもしれませんが、一度慣れるとスマートフォンひとつで、いつでもどこへでも送金ができます。

 これまでの銀行送金よりも手軽に感じるでしょう。その一方で、仮想通貨を保管する際は、自分の仮想通貨が無くなってしまわないようにしっかりと自己管理する必要があります。

 みなさんが、仮想通貨を手に取り、その可能性を肌で感じてもらう一助になれば幸いです。
 

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森川 夢佑斗

もりかわ むうと

京都大学在学中にAltaApps株式会社を創業し、仮想通貨のウォレットアプリ開発やブロックチェーンに係るコンサルティングを行う。現在は、株式会社Gincoの代表取締役として、仮想通貨時代の新たな銀行の構築を目指す。著書に『ブロックチェーン入門』(ベスト新書)、『一冊でまるわかり暗号通貨2016~2017』(幻冬舎)など。


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