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林先生だけじゃない! いつかTVで見たい個性派予備校講師

予備校は生き残れるか③

●日本史に名前を残した講師

 さらに駿台には、日本史に名前を残した講師もいる。駿台の日本史のテキストにも名前が出てくる。山本義隆(物理)。東大全共闘議長である。60年代末の学生運動のリーダーとして、秋田明大(日大全共闘)とともに知られている。もともとは物理学者として将来を嘱望されていたが、東大闘争に身を投じ、のちに予備校講師になる。

 見た目では髪の毛とひげが印象的。黒板に書く文字は立て看板の文字のよう。それでいて、講義は学生からの支持を集めている。

 山本は科学史家としての側面も持っている。『磁力と重力の発見』(みすず書房)では、大佛次郎賞などを受賞している。

 以前は社会的発言をしなかったものの、東日本大震災以降脱原発デモに参加するようになり、原発問題に関する著書『福島の原発事故をめぐって――いくつか学び考えたこと』(みすず書房)『原子・原子核・原子力――わたしが講義で伝えたかったこと』(岩波書店)も刊行している。

次のページ●ビジュアル系の講師には実力がある。

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小林 拓矢

こばやし たくや

1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学卒。フリーライター。単著『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)、共著に首都圏鉄道路線研究会『沿線格差』『駅格差』(ともにSB新書)など。


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