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桶狭間はマグレだったのか?

大間違いの織田信長⑦ 信長は成功体験を捨てられた!

戦後民主主義のヒーローとしての信長の真実の姿は歪められている?真実の信長像を知ることで、新たな日本史の歴史観が構築される! 気鋭の保守の論客倉山満が挑む新境地! .絶賛発売中の『大間違いの織田信長』(KKベストセラーズ)を上梓した、倉山満氏が人間信長の魅力に迫る!

信長は成功体験を捨てられた!

 

〝信長天才説〟の代表としてとりあげられる、桶狭間の戦いがあります。少数の兵で大軍に勝った戦いです。一説には、三千人で二万五千人の敵を倒したとか。細かい話はここでは飛ばしますが、信長はなぜ勝てたのか。

 一言で言えば、マグレです。色々な人が色々な理屈をこねますけど、紛れもなくマグレです。マグレとは、再現不可能という意味です。

 よく経営者が成功体験自慢をするのを聞きますが、「それ、百回連続でジャンケンに勝ったようなものだろ! 他人が真似できないし、アンタだって同じ状況でもう一回それやっても、絶対に成功しないだろう!」と言いたくなるようなことは一度や二度ではありません。偶然に基づく成功体験に固執したのが滅びの原因になるなど歴史を紐解けば枚挙にいとまがありません。典型が大日本帝国です。日露戦争は奇跡の勝利の連続でした。ところが、四十年後の大東亜戦争でも同じことを繰り返しました。最も愚かだったのは、陸軍大臣で後に首相も兼任した東條英機です。「アメリカは強大だというが、日露戦争のときの戦力差はもっと大きかった。やってみなければ分からん」などと、算数ができるのかどうかすら怪しい理屈を振りかざしていました。とはいうものの、普通の人間は成功体験にしがみつくものですが。

 信長の凄味は、成功体験をスパッと捨てられることです。「こんな偶然、二度とないんだから、もう二度とこんな戦いをしてはならない。ああなる前に何とかしよう」という発想になるのです。桶狭間以後の信長は、戦いの前に必ず敵に優る数を揃えることに腐心するようになります。兵がいなければ集めればよい。信長は金で雇った兵隊、傭兵に依存するようになります。弱いんだから数を集めなければならない。そのための金をひねり出さねば、というわけです。

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倉山 満

くらやま みつる

憲政史研究家

1973年、香川県生まれ。憲政史研究家。

1996年、中央大学文学部史学科国史学専攻卒業後、同大学院博士前期課程を修了。

在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤研究員を務め、2015年まで日本国憲法を教える。2012年、希望日本研究所所長を務める。

著書に、『誰が殺した? 日本国憲法!』(講談社)『検証 財務省の近現代史 政治との闘い150年を読む』(光文社)『日本人だけが知らない「本当の世界史」』(PHP研究所)『嘘だらけの日米近現代史』などをはじめとする「嘘だらけシリーズ」『保守の心得』『帝国憲法の真実』(いずれも扶桑社)『反日プロパガンダの近現代史』(アスペクト)『常識から疑え! 山川日本史〈近現代史編〉』(上・下いずれもヒカルランド)『逆にしたらよくわかる教育勅語 -ほんとうは危険思想なんかじゃなかった』(ハート出版)『お役所仕事の大東亜戦争』(三才ブックス)『倉山満が読み解く 太平記の時代―最強の日本人論・逞しい室町の人々』(青林堂)『大間違いの太平洋戦争』『真・戦争論 世界大戦と危険な半島』(いずれも小社刊)など多数。

現在、ブログ「倉山満の砦」やコンテンツ配信サービス「倉山塾」(https://kurayama.cd-pf.net/)や「チャンネルくらら」(https://www.youtube.com/channel/UCDrXxofz1CIOo9vqwHqfIyg)などで積極的に言論活動を行っている。

 

 

 

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