19歳で出産、夫は覚せい剤で逮捕。シンママの「絶望」と「愛」 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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19歳で出産、夫は覚せい剤で逮捕。シンママの「絶望」と「愛」

日本の最貧困地帯 沖縄のリアル②

「死が2人を分かつまで」 

 その後、佐倉さんの家に戻り、ことの顛末を報告した。

 彼女のわがままで教会で式を挙げた時の神父さんに言われた言葉を思い出したと言ってくれた。

「死が2人を分かつまで」 

 覚せい剤に手を出していた、自分を借金漬けにもした、子供達が満足できるような養育費を入れることもほとんどなかった。しかし夫婦でなくなっても、佐倉さんの大輔さんに対する愛は変わらなかった。もちろん子供達にとっては掛け替えのない父親であった。

 絶望の中にあったひとつの「愛」に、私は救われたような気がした。

※注 本文に出てくる氏名は全て仮名です。

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神里 純平

1979年生まれ。沖縄県在住の会社員。

中堅のリサイクルメーカーにサラリーマンとして勤務し、会社内から出る産業廃棄物の収集運搬やグループ内の在庫移動の業務に従事する毎日。少年の頃には紆余曲折があったが、現在は友人たちと一緒に、仕事後や休みの日に子どもたちに格闘技を指導することがライフワークとなっている。好きな言葉は「人生一生雑巾がけ」。著書に『沖縄裏の歩き方』(彩図社)がある。


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