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又吉直樹、押切もえ……芥川賞ら文学賞を芸能人がとるのはイヤですか?

芸能人と文学賞①

誰がどんなふうに受賞してもいい

 

 私は、文学賞なんて誰がどんなふうに受賞してもいい、と思っています。何でそこで批判する人が出てくるのか、よくわからないんですが、少なくとも文学賞は面白い現象だと、改めて確認することはできました。

 元来、文学賞の大きな役割の一つは、決して万人に一致した答えがあるわけじゃない「文学」をめぐって、さまざまな発言を誘発することにあります。果たして有意義なのか不毛なのか、判断はつきませんけど、甲論乙駁のさまは、わきから見ているだけで十分にエンターテインメントです。さらに、そこに芸能人が関わることで、ノイズやクソリプ含めて、大量に意見が飛び交い、話がごちゃごちゃになっていく。文学賞にとっては損など見当たりありません。益ばかりです。

 次回、そんな益=面白さにまみれた最近の文学賞と芸能人の事例を見ていきます。〈2017年7月刊行『芸能人と文学賞』より構成〉

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川口 則弘

かわぐち のりひろ

直木賞研究家

川口則弘(かわぐち・のりひろ)



1972年、東京都生まれ。直木賞研究家。筑波大学比較文化学類卒業。



昼間は会社員として働きながら、趣味である「直木賞」研究にコツコツと没頭。



深夜、休日に寝食を忘れて膨大な資料収集と整理にあたり、



ついに2000年、直木賞非公式WEBサイト「直木賞のすべて」を運営。



さらに趣味が高じて「文学ではなく、大好きな文学賞」の研究範囲が拡大。



「芥川賞のすべて・のようなもの」、「文学賞の世界」のサイトまで運営。



口コミで「なんかスゲー直木賞のオタクがいる!」とサイトが評判になり、



いつしか、“街場の”直木賞研究家として執筆デビュー。



単著に『直木賞物語』、『芥川賞物語』(ともに文春文庫)、



『ワタクシ、直木賞のオタクです。』(バジリコ)、編著書に『消えた受賞作 直木賞編』、



『消えた直木賞 男たちの足音編』(いずれもメディアファクトリー)がある。



「直木賞のすべて」http://prizesworld.com/naoki/



「芥川賞のすべて・のようなもの」http://prizesworld.com/akutagawa/



「文学賞の世界」http://prizesworld.com/prizes/


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