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祭りを彩る異形の神々 日本の各地に伝わる来訪神がスゴイ!

来訪神の祭り②

男鹿のナマハゲ

場所:秋田県・男鹿市
日付:大晦日

蓑をまとい、大きな鬼の面と包丁で怠け者を戒める神

男鹿では火ダコを「ナモミ」といい、ナマハゲはそれを剥ぎ取りに来る神だ。包丁はそのための道具で、桶は水をかけるためだろうか。ケデという藁蓑を着て大きな鬼の面を被った恐ろしい来訪神は、「親の言うこど聞がね子はいねがー」と大声をあげながら家々を回り、子どもをさとす。

 

マユンガナシ

場所:沖縄県・石垣島/川平(かびら)
日付:旧暦9月頃の戊戌(つちのえいぬ)の日

来訪神の祭りの典型といわれる風習
杖を手に、蓑と久葉(くば)笠がさを着けて覆面をした戌年いぬどし生まれの青年2人が、海の彼方から来たマユンガナシ(真世(まよ)の神さま)に
扮して家々を回るシチ(節)の祭り。《うーとーどぅういぬしぃまはら》「ああ尊い、上の島から…」と始まる長いカンフツ(神口)が特徴だ。

 

アンガマ

場所:沖縄県・石垣島/八重山
日付:旧盆

ウシュマイ(お爺)とウミー(お婆)が訪れる

 あの世からやって来るウシュマイ(お爺)とウミー(お婆)が家々を訪れて、仏壇を拝み、花子と呼ぶ孫たちとともに踊って唄う。そのあと、あの世のしきたりや生活について頓智を利かせた問答を繰り広げる。手造りのアンガマ面を付けた青年たちは、裏声で話さなければならないという決まりがある。

『一個人』8月号より構成〉

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小川 直之

おがわ なおゆき

1953年生まれ。國學院大學文学部教授。中国・南開大学客員教授。著書『日本の歳時伝承』(アーツアンドクラフツ/2013年)、編

著『折口信夫・釈迢空―その人と学問』(おうふう/2005年)など多数。


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