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止まらない、止められない、エディー・イングランドの快進撃。ジェイミー・ジャパンは後に続けるか

オールブラックスを射程圏内に。日本はジョセフHC下、ステップアップが求められる時

主力17人を欠くも、アルゼンチンに連勝

 さらにエディー・イングランドは6月、アウェイで2015年W杯のベスト4、「南米の雄」アルゼンチン代表も撃破した。実はこのツアーは「チャレンジ」だった。なぜか――。

 日本代表と戦ったアイルランド代表同様、4年に一度のブリティッシュ&アイリッシュライオンズ(以下ライオンズ)の遠征に主力を取られていたのだ。その数のべ15名(さらにNo.8ビリー・ブニポラはケガ、SHベン・ヤングスは家庭の事情でツアーに参加せず)。若手中心の編成で、スーパーラグビー期間も「ジャガーズ」としてほぼメンバーを固定している「ロス・プーマス」と戦わなければいけなかったのだ。

 さすがのエディー・イングランドも、主力17人が抜けている状態で、アルゼンチン代表にはアウェイでは勝てないだろうと思っていたが、それは杞憂に終わった。

 結果、直前のバーバリアンズ戦も含めて3連勝を達成。アルゼンチン代表との第1テストマッチは38―34で接戦を制し、第2テストマッチも後半20分までは同点だったものの、試合終盤でイングランド代表が引き離し35―25で連勝。ジョーンズHCは「素晴らしい成果だった。このチームと若い選手たちのパフォーマンスに満足している。それぞれの選手がみんな成長した。そのことによって、我々が進歩するチャンスが生まれた」と、若い選手たちがタフなツアーを経験し、新たなポジション争いが生じたことに破顔した。

 特に若手の中では「FWではPRハリー・ウィリアムズ、LOチーャリー・ユーエルズなどやBKではSOピエール・フランシス、SO/CTBアレックス・ロゾウスキーが良かった」と称えた。一方で、すでに実績のあるキャプテンのHOディラン・ハートリー、LOジョー・ローンチベリー、No.8ネイサン・ヒューズ、SHダニー・ケア、SOジョージ・フォードらも高いパフォーマンスを見せ、中でもジョーンズHCは「FL(クリス・)ロブショーとFB(マイク・)ブラウンは50キャップ以上を持っている選手であることを証明した」と手放しで褒めた。

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斉藤 健仁

さいとう けんじ

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365 」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。


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