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今の自衛隊に対して、元エース潜水艦長が感じた「ある」傾向

日本の軍事力 自衛隊を阻むものの正体⑥

元エース潜水艦長が書いた『日本の軍事力 自衛隊の本当の実力』(中村秀樹・著)が話題を呼んでいる。そのなかで指摘される軍隊における歴史と伝統の重要性とは。

自衛隊は賢者か、愚者か?

陸上自衛隊 多用途ヘリコプター〝UH-60JA〟:愛称ブラックホーク

出典:陸上自衛隊WEBサイト (http://www.mod.go.jp/gsdf/equipment/air/index.html)

 どんなことにも、理想と現実があります。 理想像を知らなければ、現実こそがすべてだと思ってしまう。プラトンではありませんが、あるべき姿としてのイデアは必要です。なければ努力目標がわかりません。

 自衛官には 、あるべき軍人像というイデアがないように見えます。軍人像同様、軍隊像もまた、ありません。あるべき姿を夢想だにできず、仕事を通じて得られただけの限られた経験や知識、それだけですべてを判断してしまっているかのようです。そして、消化不良のまま米国から直輸入された知識が幅を利かせています。

 かつての自衛隊は 、旧軍人があるべき姿を腹に秘め、現実に妥協しながら作り上げてきました。いまにちゃんとした軍隊にするために隠忍自重していたのです。しかし戦後世代にとっては、この妥協の産物がすべてです。したがって、本来あるべき姿というものがわかりません。また、わからないことすら認識していないから、問題を感じていないのです。知らないことを知らなければ何も始まらないのは 、なにも哲学の世界だけの話ではありません。

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中村 秀樹

なかむら ひでき

昭和25年生まれ、福岡県出身、防衛大学校18期。潜水艦艦長のほか、海上幕僚監部技術部、護衛艦隊運用幕僚、情報本部分析部、幹部学校教官、防衛研究所戦史部等勤務。平成17年退官。著書に『本当の潜水艦の戦い方』『本当の特殊潜航艇の戦い』『これが潜水艦だ』『尖閣諸島沖海戦』『第二次日露戦争』『日韓戦争』(潮書房光人社NF文庫)『潜水艦完全ファイル』(笠倉出版社)などがある。


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