三浦春馬から倉木麻衣、安達祐実、りえ、にこるん、百恵まで。ステージペアレントをめぐる芸能人の悲劇と喜劇 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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三浦春馬から倉木麻衣、安達祐実、りえ、にこるん、百恵まで。ステージペアレントをめぐる芸能人の悲劇と喜劇

結局は大金を稼ぐ自分の子どもに親が嫉妬している?

■三浦春馬と倉木麻衣。親に苦しんだ両人の不思議な偶然

2019年8月29日、ドラマ『TWO WEEKS』のPRのために台湾を訪問した三浦春馬。彼の死は台湾や中国でも大きく取り上げられた/写真:アフロ

 三浦春馬が30年の生涯を閉じてから、はや1ヶ月。その死は、彼の知られざる葛藤を明らかにした。

 小学校時代に親が離婚して、母がホストと再婚。芸能界入りしていた彼が売れるにつれ、母はぜいたくになり、それ以前から手を出していたマルチまがいのビジネスもエスカレートしていった。彼が引退を口にしても、母は続けるように説得。やがて、母は彼に内緒で所属事務所にカネを無心したりするようになり、ここ数年は絶縁状態だった、という。
 また「週刊朝日オンライン」によれば、2年ほど前、知人に「30歳になったら結婚したい。自分は一人っ子だから、兄弟を作りたい」と話していた。しかし、昨年「週刊朝日」の対談では「結婚しないかもしれないですけどね」という発言が。結婚に対して、しだいに夢を見られなくなっていたのかもしれない。

 そんな三浦の死は、大型生番組「音楽の日」(TBS系)のなかで速報テロップとして伝えられた。そのとき、歌っていたのが倉木麻衣だ。じつは彼女も、親には苦労させられた。ブレイク直後、離婚で生き別れになっていた父が彼女の事務所にお宝ビデオの買い取りを強要するなど、介入し始めたのである。

 父は元・時代劇俳優で、芸能プロの経営やAVの制作などを行いながら、妻との別居後も娘をスターにすることを夢見てきた。倉木を売り出したビーイングの長戸大幸とも知り合いだっただけに、そこに絡めなかったのが不満だったのだろう。一方、倉木側はイメージダウン対策のため、HPにコメントを発表。
「幼い頃から、母や家族が苦しみ悲しんでいる所を見てきました」
 などと強調したが、それくらいでは父もメゲない。そのうち、娘に似た女優を「倉本麻衣」と名付け、その主演AVを作るとまで言い出した。雑誌の取材で「娘から発売しないでと言われたら?」と聞かれると、こんな答が。
「許せよ、笑ってくれよって感じです。生きるためにやってるんですよ」

 ただ、なんらかの手打ちが行われたのか、父はAV制作の中止を表明。その後は大人しくなった。そして、19年後の今年4月、病死したことがニュースに。父は娘のファンクラブに入って、ライブ後のイベントに参加するなどしていたという。倉木も情にほだされていたようで「再会を考えておりました」と語ったが、それは実現しなかった。

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『痩せ姫 生きづらさの果てに』(KKベストセラーズ)
宝泉 薫

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宝泉 薫

ほうせん かおる

1964年生まれ。主にテレビ・音楽、ダイエット・メンタルヘルスについて執筆。1995年に『ドキュメント摂食障害―明日の私を見つめて』(時事通信社・加藤秀樹名義)を出版する。2016年には『痩せ姫 生きづらさの果てに』(KKベストセラーズ)が話題に。近刊に『あのアイドルがなぜヌードに』(文春ムック)『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、最新刊に『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)がある。ツイッターは、@fuji507で更新中。 


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