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七夕の短冊の色には、実は意味がある

意外と知らない七夕知識

◆「五色の短冊」の由来は中国の陰陽五行思想にある

 

 7月7日の七夕が近づくと、短冊などで飾られた笹を見られるようになる。織姫と彦星が年に一度だけ会えるというロマンチックな伝説が残されているが、その起源を中国の乞巧奠(きこうでん)とする説があるのをご存じだろうか。

 乞巧奠とは、機織りや裁縫の上達を願う行事である。祭壇に糸や針などを供えるもので、日本でも奈良時代ごろから見られた。後に芸事など、ほかの願い事もされるようになり、現在のような形になったとされる。

 平安時代にはまだ宮中行事として行われており、梶という木の葉を短冊として用いていた。これに和歌をしたためていたというから、なんとも風流ではないか。

 江戸時代になると庶民のあいだにも七夕が広がるようになる。童謡『たなばたさま』の歌詞にも登場する「五色の短冊」は、このころには存在していたようだ。この五色の短冊は赤・緑(または青)・黄・白・黒(または紫)で構成され、中国の陰陽五行の考えが用いられている。

 この五色には、仁・礼・信・義・智という「五徳(五常)」の意味が込められている。赤は「礼」を表し、その文字の通り感謝を示している。緑(または青)は「仁」であり、人を思いやる気持ちのこと、黄は「信」で信頼や寛容、白は「義」で規律や正義、黒(または紫)は「智」となり、知性や学力の向上などを表しているという。

 こうした意味を踏まえたうえで、願い事に合わせて短冊の色を選びたい。

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