140試合連続フル出場。大記録をもたらした中澤佑二「自分を動かす」力 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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140試合連続フル出場。大記録をもたらした中澤佑二「自分を動かす」力

大記録の裏側にあった「言葉の力」

 だけど、そんなことを考えても、目の前の現実が変わるわけではない。むしろ、心が乱れることによって悪循環にはまってしまう危険性すらある。

だから、僕はあるときから自然とそういった「成功」を意識しないようになった。もともと、先を見て練習をするタイプではなかったけれど、一層、日々の練習だけに集中するようになった。それで結果が出なくても、悪いところだけ反省し、気持ちを切り替えて練習に取り組むようにする。そういうサイクルで競技人生を歩んできた結果、気が付けば、「成功」よりも「成長」を実感するようになった。

 だからこの言葉を目にした時、「やっぱりそうなのか」と思ったし「自分の進んできた道のりも間違いではなかったんだ」と背中を押された気がした。
(中略)
「成功」が人の脳裏に焼きつくような強烈なインパクトを指すのなら、僕にはあまり縁のないものに違いない。だけど、「成長」は至る所で実感している。
 だから今も何が「成功」なのかと聞かれたとしたら、よく分からないと答えるだろう。僕の場合、日々、追い求めているものは「成長」だからだ。
 結果が出ないことを悔やむ必要はない。重要なことは、日々、成長を実感できるかどうかなのだ』
 

「記録の話はもういいでしょう。来週からは優勝争いに絡みました、みたいな話で」
 中澤選手は試合後、そう言って次を見据えたという。シーズンを折り返し、チームの順位も5位にまで上がった。日々、成長を実感するために磨き続けた心身が、大きな成功を手にするまで、ピッチには躍動する中澤選手の姿があるはずだ。

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