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パートにもiPadを支給。儲かる会社は効率化にお金を惜しまない

希代の経営者・小山昇が語る「パート社員・戦力化」の要諦 第5回

 コールセンターは、全営業スタッフの位置情報をリアルタイムで把握していて、担当者が遠くのコースを回っているのであれば、「近くにいる別の営業スタッフに向かわせ、一時対応」させています(その後、担当者が本格的な対応をする)。
 内勤の人件費は固定費です。固定費を小さくするのが経営の基本であり、それには「給料を下げる」か「従業員の人数や勤務時間を減らす」しかありません。「給料を減らす」ことはできないから、今までやっていた仕事を効率化して、少ない人数と少ない時間で処理する必要があります。iPadを使えば残業時間が減り、残業時間が減れば人件費を抑えられて、利益が増えるしくみです。
 残業が減って、家に早く帰れて、家族と過ごす時間が多くなって、しかも、可処分所得が高くなる。「働き勝手」が良いため、武蔵野はパートが辞めません。

②業務効率が上がる
「高度なシステムを一部の社員だけが使う会社」と、「そこそこのシステムを全従業員が使いこなす会社」では、後者が業務効率が上がります。
 前者の場合、システムについていけない人がボトルネックになって、かえって仕事が滞ってしまうことがあります。全員がシステムを使えて、ボトルネックがない状態にしたほうが、仕事は効率的に進みます。

③パート同士のコミュニケーションが良くなる
「ガラケー」しか持たなかったパートが、iPadを支給されてコミュニケーションアプリの「LINE」を使うようになり、「みんなの仲間に入れてもらった」と喜んでいます。
 iPadは、業務の効率化のみならず、従業員同士のコミュニケーションツールとしても大きな威力を発揮しています。

④パートが辞めなくなる
「うちの社長は変わっているから、こんなものを持たされちゃって」と面倒そうに振る舞うパートほど、実際には「まんざらでもない」と感じています。iPadを貸与されたことを家族や友人に自慢できるからです。
 武蔵野を辞めるときは、iPadを返却する。一度与えられたものを返したくない。「iPadを返却したくない」という理由で仕事を頑張るパートも少なくありません。

<『儲かりたいならパート社員を武器にしなさい』より構成>

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小山 昇

こやま のぼる

株式会社武蔵野代表取締役社長。1948年、山梨県生まれ。東京経済大学卒業後、日本サービスマーチャンダイザー株式会社(現在の株式会社武蔵野)に入社。一時期、独立して株式会社ベリーを経営していたが、1987年に株式会社武蔵野に復帰。1989年より社長に就任し、現在に至る。「大卒は2人だけ、それなりの人材しか集まらなかった落ちこぼれ集団」を毎年増収増益の優良企業に育て、日本で初めて「日本経営品質賞」を2度受賞。著書に『強い会社の教科書』『残業ゼロがすべてを解決する』(ともにダイヤモンド社)など多数ある。


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  • 2017.06.09