●普通のミサイルと核ミサイルの違い

シズカ…基本的なことだけど、普通のミサイルと核ミサイルとでは捉え方が違うのね。

黒井…そうですね。核ミサイルは一発でも被弾すると甚大な被害を受けてしまう。ですから、米韓軍は最悪の事態を想定して準備しているというわけです。北朝鮮問題にアメリカが積極的に介入しているのも、この核ミサイルの存在があるからです。

トオル…そうなんだ。僕はてっきりトランプ大統領が喧嘩っ早いからだと思っていた。

シズカ…アメリカが本腰を入れるってことは、アメリカも北朝鮮の核ミサイルの射程圏内に入っているってこと?

黒井…それはまだですが、アメリカへ届くミサイルが完成させる前になんとか止めようとしているのです。アメリカの北朝鮮への介入は“大統領がオバマからトランプに変わったから”のではなく、“北朝鮮のミサイルの射程距離がアメリカに届きそうになってきたから”というのが大きいのです。オバマさんが大統領でも同じようなことをしたと思いますよ。

トオル…アメリカが介入してきた理由はわかりました。それで少し話が戻るんですが、「普通のミサイルと核ミサイル」の違いってあらためて何なのでしょうか。。どちらにしても大きな被害を受けそうだけど。

黒井…雲泥の差がありますよ。例えば、通常の爆薬が積まれたミサイルが打ち込まれたとき、鉄筋のビルであれば半壊くらいで全壊はしません。あくまでピンポイントでの攻撃なので、街全体が壊滅的になるわけではない。実際に、湾岸戦争やイラク戦争の時にイラク軍がスカットミサイルを打ち込んでいました。私は現地で取材しましたが、被害の状況は「甚大」と言えるものではなかったんです。

トオル…ミサイルを打たれたら一巻の終わりというイメージだけど、そうじゃないんだね。

黒井…やはり本当に恐ろしいのは核ミサイルです。北朝鮮が過去に核実験していた規模が大体10キロトン程度。広島や長崎に落とされた規模は15~25キロトンくらいです。さらに、過去に実験したものを強化しているという予測もあり、広島や長崎の10倍もの被害になるという可能性も。爆風や熱であらゆるものが吹き飛ばされることに加えて放射線の汚染もありますから、被害は相当甚大なものになるのです。

トオル…サリンとかの生物兵器を心配する声もあったけど、核ミサイルのほうが怖いんだね。

黒井…サリンなども危険ですが、爆発時に拡散する範囲は限られています。やはり核ミサイルの被害は桁違いですね。