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田母神俊雄が嘆く、政府の「不断の努力と勇気」のなさ

田母神俊雄が「獄中ノート」で記した「日本の敵」論考 第5回

もう一度中間層を増やしていこう
政治は現場のためにある、弱い者のためにある

 日本の敵とは、こうしてかいつまんでお話しいただくと、やはり「外なる敵(外国)」よりも「内なる敵(国内)」の方が問題のように思えてくる。田母神は、「日本の敵」なるものをこう総括する。
「真の敵は、あなたの味方です、と近寄ってくるんだな。で、甘い言葉でだまし、私たちの生活をぶっ壊していくんですよ。この四半世紀の間に叫ばれた改革で日本は一つも良くならなかったと思います。それは現場の声を聞かず、むしろ、少数の強者のための政治を行ってきたからではないでしょうか。でも、強い者には政治はおっぽといてもなんとかなる。むしろ、現場や弱い者たちのために政治が必要なんです。日本社会にグローバリズムのような弱肉強食、格差、貧困は伝統、文化的に合わない。そういえば、中間層が多かった時代に希望はあったんだね。ならば、今の政治が行う改革と違う道があると思うんです。私が日本の敵と戦うのは、私たち日本人が幸せになるための知恵を取り戻すためであり、それが日本を取り戻すことなんだと思います」
 田母神は、今がその岐路であると私たちに、問いかけている。

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田母神俊雄

たもがみ としお





1948年、福島県郡山市生まれ。



71年、防衛大学電気工学科(第15期)卒業後、航空自衛隊に入隊。



地対空ミサイルの運用幹部として部隊勤務10年。



統合幕僚学校長、航空総隊司令官などを歴任。



2007年、第29代航空幕僚長に就任。約5万人の空自トップとなる。



08年10月31日、民間の懸賞論文へ応募した作品(「日本は侵略国家であったのか」)が



政府見解と異なり、幕僚長を更迭。



同年11月3日付で定年退職。



その後は執筆・講演活動で活躍しながら自らの信念を実現すべく政治に参画。



14年2月9日、東京都知事選挙に立候補するも4位落選(61万865票)。



同年12月14日、第47回衆議院選挙に立候補し落選。



16年4月14日、「2年前」の都知事選における公職選挙法違反容疑で逮捕。



検察の厳しい取り調べを受け、東京拘置所に勾留169日間。



「無罪」を訴え、法廷闘争を繰り広げる。



17年5月22日、東京地裁にて有罪判決。



同年6月2日、東京地裁の判決を不服として東京高裁に控訴。



著書に『自らの身は顧みず』(WAC)、『田母神塾』(双葉社)、



『田母神大学校』(徳間書店)、『田母神俊雄の戦争論』(電波社)など多数。


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  • 2017.06.24