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日本復活への道は「官僚」にあり。政治主導の意味を履き違えている

田母神俊雄が「獄中ノート」で記した「日本の敵」論考 第4回

結局政府が頑張らなければ、その中でも総理や大臣が頑張らなければ国益は守れない。
上が頑張れば官僚も頑張れる。しかし上がアメリカの言う通りにしろと言えば官僚も
その通りにせざるを得ない。昔は官僚が頑張って対米交渉もきちんとやって来ていた。

しかし“官僚が悪い”という情報戦争をアメリカから仕掛けられ、政治家もマスコミも見事にこ
れにはまった。ノーパンシャブシャブやらゴルフ旅行やら未公開株などで官僚が叩かれた。

日本の政治家でさえ官僚は自分たちのためだけ頑張る人種だと思わされ、政治主導だと騒ぎ出した。小沢一郎などが官僚叩きを始めた。しかし政治家が行政の細部に精通し、最良案など自ら作れる訳がない。

政治家が大きな方向性だけを示し、あとは官僚の力を使えばよいのだ。日本が永年かけて作り上げた日本的政治システムを壊し初めた。それが改革だ。改革という名の日本ぶち壊しなのだ。

官僚が案を作り、その中から利害得失を考えて政治家が最終的に決断する。それは立派な政治主導だ。今の日本は公務員叩きがファッションになっているが、公務員の不祥事はあっても、全ての公務員が悪い訳ではない。多くの公務員はまじめに頑張っているのだ。

公務員、特に中央省庁で頑張っている人たちの処遇をもう少し良くしてあげなければいけない。そして仕事をやる上での自由を確保してあげなければいけない。いわゆる政治主導をぶち壊さなければならない。それが日本復活の道だ。

(『獄中ノートNo.3』2016年6月29日)

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田母神俊雄

たもがみ としお





1948年、福島県郡山市生まれ。



71年、防衛大学電気工学科(第15期)卒業後、航空自衛隊に入隊。



地対空ミサイルの運用幹部として部隊勤務10年。



統合幕僚学校長、航空総隊司令官などを歴任。



2007年、第29代航空幕僚長に就任。約5万人の空自トップとなる。



08年10月31日、民間の懸賞論文へ応募した作品(「日本は侵略国家であったのか」)が



政府見解と異なり、幕僚長を更迭。



同年11月3日付で定年退職。



その後は執筆・講演活動で活躍しながら自らの信念を実現すべく政治に参画。



14年2月9日、東京都知事選挙に立候補するも4位落選(61万865票)。



同年12月14日、第47回衆議院選挙に立候補し落選。



16年4月14日、「2年前」の都知事選における公職選挙法違反容疑で逮捕。



検察の厳しい取り調べを受け、東京拘置所に勾留169日間。



「無罪」を訴え、法廷闘争を繰り広げる。



17年5月22日、東京地裁にて有罪判決。



同年6月2日、東京地裁の判決を不服として東京高裁に控訴。



著書に『自らの身は顧みず』(WAC)、『田母神塾』(双葉社)、



『田母神大学校』(徳間書店)、『田母神俊雄の戦争論』(電波社)など多数。


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