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もはや「本好き」でさえ本を買わない?

「本好き」500人に聞く「本の魅力」大調査④

Q.本を一番買う場所はどこですか?

●本をリアル書店で「新品で」買う人は5割弱

 

 前問で、思わぬ図書館利用者の数におされる形となった「買う派」。ここではさらに一歩踏み込んで「どこで買うか?」という質問をぶつけてみた。結果は下記の通り。

・書店(ネット除く) 259票(男性174、女性85)/51.8%

・ネット書店(amazon等) 127票(男性71、女性56)/25.4%

・中古書店78票 (男性52、女性26)/15.6%

・フリマアプリなど0票 

 書店(ネット除く)で買う人は全体の50%強だった。

 次に票を集めたのはネット書店。全体の4分の1を占めた。これは年々巨大化するAmazonの存在感とリンクする。都内の生命保険会社につとめる営業マンは、年間30冊以上本を読むが、リアル書店に行くのは年に1~2回で、ほぼamazonで購入するという。

「(amazonを使うのは)早いから。またリアル書店で買うと持って帰るのが面倒という理由もあります。僕の場合はポチッと購入して、すべて会社に届けてもらうようにしているんです」(20代男性)

 忙しいビジネスパーソンにとって、ネット書店のスピード、手軽さはやはり魅力的だ。

 ほか大学院で工芸を専攻し、自分の興味あるテーマの写真集などをよく購入するという大学院生は、「とくに海外の本はamazonで買う」(20代男性)と答えた。専門性の高いもの、洋書などはやはりamazonに頼るしかない。

 またブックオフに代表される中古書店の利用者も根強く、概算で7人に1人が本を買う際のファーストチョイスにしていることになる。

 昨今爆発的に利用者を伸ばしているメルカリに代表されるフリマアプリも選択肢に加えたが、こちらはまだ本を買う手段としては認知されていないのか今回のアンケートではゼロ票だった。

 これらの結果をどうみるか。前問でみたように、そもそも「購入派」が想像以上に少なくなってきている中で、買う場合でもネット書店や中古書店といったルートが40%超。残った50%がようやく「本屋さん」で買うということになる。昨今書店の経営不振のニュースを目にするが、本の入手チャンネルが増える中で、本好きでさえもなかなか一般書店で「新品」で買ってくれない、お金を落としてくれない現状をあらわしているということか。

 こうしてみると暗い方向になりがちだが、前回紹介したように、店頭に人を呼びこむ意欲的な取り組みをしているリアル書店も増えてきている。実際に足を運びたいと思わせる書店、そしてずっと手元に残しておきたいと思わせる本づくりがこれからの時代に求められるのは間違いないだろう。

 

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