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マシントレーニングにはない魅力が人気。「自重トレ」はダイエットにも効く?

自重トレーニングを徹底検証①

自重「だけ」じゃやせないよ

 さて今回の企画のテーマでもある「やせる」についてはどうなるのか。結論から言えば、やせるための第一手段として、自重トレーニングだけをチョイスするのは正解ではない。そもそもトレーニングだけで消費するカロリーは限られている。

「残念ながら筋トレを7種目、10回×3セットやっても消費するエネルギーは数10キロカロリーです。筋トレの目的というのは脂肪を燃焼させることではありません」(同)

 ダイエットは食事制限を組み合わせながら、エネルギー摂取と消費の収支を“赤字”にすることが肝だ。自重トレーニングがいきてくるのは、その“赤字”を補てんするために減少する筋肉を取り戻す手段としてだ。

「体重が減るとき、脂肪と同時に筋肉量も減っていきます。やり方次第ですが、20kg減量してそのうち10kg分も筋肉が減ってしまう場合もあります。極端な絶食や糖質制限をした場合がこれに当てはまります。自重トレーニングはその減っていく分を相殺するためために行うのです。その結果、体脂肪だけを減らすことができるのです。減量中というのは、下りのエスカレーターに乗っている筋肉がさらに加速して早いスピードで動いている状態。だからいつも以上に筋トレをしないといけないんです。面白いのはボディビルダーは減量中のときのほうがより過酷なトレーニングをしなければならないんです。筋肉が落ちやすい中で脂肪だけを落とさなければならないからです」

 以上をまとめるとあくまでも自重トレーニングは「ダイエットする」、つまり体脂肪を減らすという結果を得るための“補助線”としてとらえるべきだろう。しかし手軽に、減量中でも健康的な体を維持できる自重トレーニングはぜひダイエットプログラムの中に取り入れてほしい。次回はその具体的なトレーニング方法を紹介していきたい。

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坂詰 真二

さかづめ しんじ

1966年生まれ、新潟県出身、横浜市立大学文理学部卒。スポーツ&サイエンス代表。NSCA認定ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト、同協会認定パーソナルトレーナー。横浜リゾート&スポーツ専門学校講師。株式会社ピープル(現コナミスポーツ)でディレクター、教育担当を歴任後、株式会社スポーツプログラムスにて実業団等のチーム、個人選手へのコンディショニング指導を担当。1996年に独立後、指導と後進の育成に加え、各種メディアでも活躍。育成したトレーナーは3000人を超え、「坂詰式『正しい』筋トレの教科書』(カンゼン)ほか、多数の著書・監修書籍がある。


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