さまざまな尿成分の調節

 一連のろ過、再吸収、分泌によって、尿として排泄する物質の成分量が調節されている。このうち、ろ過された原尿の再吸収と分泌を担うのが尿細管だ。

 尿細管は、走行と上皮細胞の構造の違いによって、それぞれに区分されている。走行による分類は、糸球体に近い場所から順に、近位尿細管、ヘレンループ(ヘレン係蹄)、遠位尿細管、そして集合管系という。

 再吸収と分泌によって、体内に塩分が増えればそれを排出し、少なければ水分を多く出すというように体内のイオンバランスを保持し、また、酸塩基を調節して体液を弱アルカリ性(㏗7・4程度)に保っている(酸塩基平衡という)。

 再吸収・分泌される電解質(イオン)には、体液量調節に影響を及ぼすナトリウムイオンのほか、塩素イオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオンなどがある。また、アミノ酸やビタミン類、ブドウ糖といった栄養素も、必要な場合は尿生成の過程で再吸収され調整されている。タンパク質のほとんどはろ過されないものの、低分子タンパクは例外的にろ過される。ただし、そのほぼすべてが近位尿細管で再吸収されるため、健常者の尿に排出されることはない。

 ところで、酸塩基の「酸」は水素イオンを放出するもの、「塩基」は水素イオンを受け取るものとして定義される。酸塩基平衡は、近位尿細管での炭酸水素イオン(HCO3-)の再吸収、集合管での水素イオンの排泄とそれにともなう炭酸水素イオンの生成からなり、これらを調節して体液を弱アルカリ性に保っている。