イノシシを食べよう!③~イノシシレシピあれこれ |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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イノシシを食べよう!③~イノシシレシピあれこれ

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■下処理はどうすればいいの?現役のハンター・猟師さんにきいてみた!

 さて皆さん、私の原稿を読んでいたら、「イノシシ肉」食べてみたくなりませんか? 食べたいですよね。きっとそうに違いない(独断)。便利なもので、今どきはネット通販でもイノシシを購入することができます。ただし気を付けて頂きたい事があります。「ジビエ肉」に対して、法律の整備が行われてきたのはごく最近です。国はしっかりとジビエ肉の処理施設や取り扱いに対する一定の基準などを設けてきましたが、残念ながらいまだに国の許可を得ていない施設や業者の販売する『違法ジビエ』や『闇ジビエ』が流通しているようですので、安いからと言って、怪しい業者さんでは購入しないように気を付けましょう。
 話が少しそれましたが、皆さんは「イノシシ肉」にどんなイメージを持っていますか?くさい? かたい? 野山を駆け回るイノシシですからね。筋肉が発達していて多少のかたさはあるかもしれませんが、それは身が引き締まっているという事です。匂いについてですが、私は新鮮で、きちんと処理のされているお肉は臭いと感じたことが無いのですが、家畜と比べて野生のイノシシは食べているものが違います。育った環境、食べているもので個体に差が出てくるのでしょう。それが「くさい」と感じる方がいるのかもしれません。という事で、現役のハンターさんや猟師さんがお肉の下処理をどうしているのか聞いてきました! 皆さんそれぞれやり方が違うようですが、是非、参考にしてみてくださいね!

〈イノシシの下処理・臭み抜き〉
・塩水を入れたボウルの中で5~6回もみ洗い。
・水1、酒1を入れたボウルの中に一晩漬け込み、よくすすいでから調理。
この他漬け込むものは、炭酸水、生姜牛乳、ヨーグルト、塩こうじ、味噌、すりおろしリンゴ、レモン汁、ハーブ、スパイス、焼肉のたれ……などなど。皆さんそれぞれ工夫を凝らしているようです。

 

■おしゃれ!? 海外でも食べられるイノシシ

 イノシシ肉を食べるのは、なにも日本だけではありません。実はドイツやフランスなどでもヨーロッパの国々でも、イノシシ肉は重宝されているんです。ではその料理方法を見てみましょう。

【ロースト】(ドイツ)
 ドイツでもイノシシ肉はジビエとして一般的に食されていて、特に1歳未満の子イノシシは「Frischling(フレッシュリング/ウリ坊)」と呼ばれ最高の味として人気があります。ドイツのイノシシ料理はとても色彩豊かで、マリネ液に、エシャレットやパセリ、ハーブ等と一緒にイノシシ肉を24時間ほど漬け込み、バターで表面を焦がした後に、さらにマリネ液に赤ワインを足して、中に火が通るまで煮ていくようです。ドイツビールで乾杯ッ!
 ちなみにドイツでも害獣被害を何とかして地域貢献をしたい! といった方たちが立ち上がり、狩猟免許保持者が急増しているとの事。1989年には311257人だった免許保持者が、2014年には374084人と、約6万人も増えています!(参:ドイツ狩猟協会)

【超高級フランス料理】(フランス)
 本来フランスでは、“ジビエ”は上流階級の特権、超高級料理でした。なぜならば、狩猟とは“自分の領地”を持っている貴族が行うものだったからです。今でもトリュフやオマールブルーと並ぶ季節の高級食材には変わりはないようですが、昔と比べたらだいぶ一般家庭にも普及してきました。とりわけ、私が気になった料理は、「イノシシのゼリー寄せ」です。ハーブや赤ワインで数時間煮込こんだイノシシを、旬の野菜と一緒にゼリーで寄せたものだそうです。使うのは大人のイノシシだそうですが、癖などは無く、上質で気品あふれる逸品なのだとか……食べたい! ワインが進みそうですね。

【豪快イノシシのスペアリブ】(オーストラリア)
 オーストラリアではイノシシや、シカのほか、ワニやカンガルーなどもジビエとして広く食されているようです。シチューにするのが一般的だそうですが、私が目を引いたのは、山盛りフライドポテトの上にドッガーーーン! と乗ったイノシシのスペアリブ。シンプルイズベスト。骨が付いたままの塊肉に塩コショウで豪快に味付けをし、こんがり焼いていきます。これはビールが進みそうですねぇ……! また、ソーセージに加工して食べる事も多いそうです。そういえば、子どものころにオーストラリア旅行に行ったことがあるのですが、その時は「カンガルー」のジャーキーを食べましたよ。癖が無くて、日本のジャーキーと比べたら柔らかかったのを覚えています。

こちらはイノシシとほうれん草のソーセージ。いただきものです!

【その他】
このほか調べていくうちに、海外で食べられるジビエの種類の豊富さに驚きました。バイソン、エミュー、リス、ヌートリア、アルマジロ、サル、ザリガニ、亀、蛇、カピパラ、犬、猫など……。食文化というものはとても多様で、日本でも南の沖縄から、北の北海道で食べる物は違うでしょう。諸外国から見ればタコを食べる日本人は極少数派、今話題の昆虫食も日本は先駆けています(イナゴなど)。私が伝えたいことは……そう、自分が食べないものを食べている他国や他の人を否定しないで欲しいという事です。牛や豚は食べてよくて、犬やリス、カピパラを食べてはいけない道理がありません。人は皆、等しく他の“命”を奪い糧として生きているのです。その“命”に、たかが人間が、「これは美味いから食べていい」とか「これはかわいいからダメ」などと決めつけるのはどうもおかしな話です。大切な事は、感謝をして目の前の“命”を頂くことだと、私は思っています。

 

【終わりに】
今回は、各地に伝わるイノシシ料理や下処理法などについて綴らせて頂きました。次回は実際に私が調理したイノシシレシピについてお伝えさせて頂こうと思います。この連載を通して私の、私たちの想いが、少しでも誰かに繋がり、そして何かのお役に立てれば幸いです。

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ノゾミ

茨城県の新米猟師。本業はヨガのインストラクター。東京に10年以上住んだ後、一念発起して茨城へ移住。ヨガレッスンの傍ら、おばあちゃんの畑のお手伝いをしている。畑に出る猪を駆除するために“狩猟免許”を取り仲間と共に害獣駆除を開始。近年の猟師・農家の高齢化・減少の現実受けて少しでも若い人に、そしてたくさんの人に“農業”について、“狩猟”について、そして“いのち”について興味を持って持ってもらいたいという想いから2019年1月よりYouTubeにて“Nozomi's狩チャンネル”を配信。2020年にはワーキングウエア(作業服)・防寒着・安全靴・長靴、レインスーツの専門店チェーン<ワークマン>公式アンバサダーにも就任。



♦Nozomi's狩チャンネル

https://www.youtube.com/c/nozomikarichan



♦ランドネたのしみ隊第一期生


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