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【難病・魚鱗癬】優しく「ゆっくりでいいよ」の声。息子を献身看病してくれる看護師さんへの感謝

難病を持つ我が子を愛する苦悩と歓び(23)


 難病「道化師様魚鱗癬」を患う我が子と若き母の悲しみと苦しみ。「ピエロ」と呼ばれる息子の過酷な病気の事実を出産したばかりの母は、どのように向き合ったのか。『産まれてすぐピエロと呼ばれた息子』著作を綴った「ピエロの母」が医師から病名を宣告された日、母は我が子の「運命」を感謝しながら「これからの親子の人生を豊かなものにしよう」と新たなる決意をした。
 今回は、難病の息子を献身的な看護をしてくれる看護師さんたちの温もりあるエピソードです。


■「ゆっくりでいいよ」

洗濯の仕方も、なんとか良い方法に辿り着きそうな頃、またしても試練のときが訪れた。
不器用な私には、ほぼほぼお手上げ状態・・・。

それは、
爪切り。
足の指は全部すき間がなく、くっついていて、爪は生えていないため、切るところはない
問題なのは、変形している手のかたち
さらに、爪も歪な生え方をしていた。
なかには、まるで帽子をかぶっているかの様に、指に覆い被さった爪。
どう切ればいいの?
失敗して皮膚を傷付けるわけにはいかない。
でも、切らないわけにもいかない。
今の今まで、完全に看護師さんに任せていたため、1か所切るだけでも時間がかかる。

途中、看護師さんが様子を見に来て下さり、
お母さん大丈夫? 切れとる〜?」と声をかけて頂き、

難しいです・・・」と答えると、

まぁ、時間たっぷりあるで、ゆっくり、切ったってもぉたらいいで〜
と優しい笑みを浮かべて去っていった。

・・・確かに時間は、ある。
面会終了時間まで、まだまだ時間は、ある。
ゆっくりでいいよ」という言葉に救われた私は、

うん、ボチボチやろう

これも新たに増えた私が陽(息子)にしてもいいこと、と思うことができ、
焦らずに爪を切れるようになった。

今思うと、いつも何気ない看護師さんの言葉に、何度救われただろうか。
言葉だけでなく、そっと当ててくれる手のあたたかさに、幾度となく助けられていた。
素敵な仕事、しかし命を預かる責任のある仕事。
きっと私達の見えないところで、とても大変なことも多いはず。
けれど、いつも優しい笑顔を向けてくれる。
ベテラン看護師さんから新人看護師さんまで、皆さんそれぞれ違った、
優しさのかたちをいつも感じることができ、私はここの看護師さんたちが大好きだ。

現在も、爪切りには苦戦しているけれど、その度に
「ゆっくりでいいよ」の言葉が浮かび、私の心を穏やかにしてくれている。

『産まれてすぐピエロと呼ばれた息子』より)

KEYWORDS:

【参考文献】

『産まれてすぐピエロと呼ばれた息子』(アメーバブログ)

産まれてすぐピエロと呼ばれた息子(書籍)
ピエロの母

 

 

本書で届けるのは「道化師様魚鱗癬(どうけしようぎょりんせん)」という、
50~100万人に1人の難病に立ち向かう、
親と子のありえないような本当の話です。

「少しでも多くの方に、この難病を知っていただきたい」

このような気持ちから母親は、
息子の陽(よう)君が生後6カ月の頃から慣れないブログを始め、
彼が2歳になった今、ブログの内容を一冊にまとめました。

陽君を実際に担当した主治医の証言や、
皮膚科の専門医による「魚鱗癬」についての解説も収録されています。

また出版にあたって、推薦文を乙武洋匡氏など、
障害を持つ方の著名人に執筆してもらいました。

障害の子供を持つ多くのご両親を励ます愛情の詰まった1冊です。
涙を誘う文体が感動を誘います。
ぜひ読んでください。

◆ピエロの母のアメブロ「産まれてすぐピエロと呼ばれた息子」

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ピエロの母

50~100万人に1人の割合で生まれてくると言われる「道化師様魚鱗癬」という難病を患った長男を出産。出産から現在に至るまでの闘病を記したブログは反響を呼び、Amebaブログではすでに3000人以上のフォロワー数がおり、また同ブログのハッシュタグ記事ランキングの『#難病』部門では、トップランキング入りすることも多数ある。1987年生まれのO型。関西某県の田んぼと山が見渡せる長閑な田舎暮らし。元保育士で現在は専業主婦。


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  • ピエロの母
  • 2019.11.09