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ドイツでは「僕と付き合ってください」で恋は始まらない!?

男の価値は年収より「お尻」!?②

ドイツのほうが男女の友情が成立しやすい?

 日本では、漫画にあるように、幼稚園児の男の子が「◯◯ちゃんが好き!」と言うと、周りの大人が「じゃあ将来結婚したら?」と冗談ではありますが、はしゃいだり、はやしたてたりします。

 が、ドイツにはこの手の会話はありません。もし幼稚園児の男の子が「◯◯ちゃんが好き!」と言ったら、「まー、そうなの♡」で終わり(笑)。ドイツ人は結婚にドライなんです。

 また、日本は子供の時から「男の子は男の子と遊ぶ」「女の子は女の子と遊ぶ」ことが多いですよね。中学校や高校でも、自然に「男子のグループ」、「女子のグループ」へと分かれていき、それぞれ別々に行動します(お弁当の時間など)。

 積極的に異性とかかわろうとすると、周囲からはやしたてられたりもするので、それも恥ずかしいし、結局「男子は男子と行動」「女子は女子と行動」となるといった事情もあるようです。

 成人して社会人になっても、会社の社員食堂などでは男女それぞれ別のグループで固まってランチしている印象を受けます。

 なので、男女が2人で行動していると、周りから「あの2人はカップルだ」と思われるケースが多いですよね(当人同士は「友達」と言う認識でも、周りが「本当に恋愛感情ないの?」と確認をしたり、その2人がシングルな場合「せっかくだから付き合っちゃいなよ!」とくっつけようとしたりそういう文化で育つと、男女がお互いを意識してしまって、「男女の友情」はなかなか生まれにくいように感じます。

 一方、ドイツの場合は、もっと男と女の交わりがあります。子供の頃からそれが当たり前なので、男女が2人で行動していても(異性のお友達と一緒にキャンプに出かけたリ、泊まりがけで同じテントに寝たりなど普通にあります。もちろんお友達なのでロマンチックなことは何一つありません)、日本のように、男と女というだけでカップルにさせたがる人はいません。

 そういう意味では、欧州は日本よりも、男と女の友情が育ちやすいように思います。

 私サンドラは、ドイツはミュンヘンに幼馴染の男性がいるのですが、彼が何年か前に日本に遊びに来てサンドラの家に10日間ほど泊まったことがありました。その時、周りがちょっとした大騒ぎになってしまいました(笑)。出かける先では恋人だと思われるし、「え? 10日間も同じ屋根の下にいて、何も進展なかったの?」といった趣旨の質問をそれはたくさんされた記憶があります(笑)。

 幼馴染だしお友達だし、サンドラとしては女性のお友達と同じ扱いだったんですけどね。でも周りからするとそうは思わない部分もあるようです。

(『男の価値は年収より「お尻」!?』より構成)

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サンドラ・ヘフェリン/流水りんこ

サンドラ・ヘフェリン/ながみりんこ

【原作】サンドラ・ヘフェリン

1975年生まれ。ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴20 年。 日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「ハーフとバイリンガル問題」「ハーフといじめ問題」など、「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。著書に『ハーフが美人なんて妄想ですから!! 』(中公新書ラクレ)、『ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(共著KADOKAWA)、『爆笑! クールジャパン』(共著/アスコム)、『満員電車は観光地!?』『「小顔」ってニホンではホメ言葉なんだ!?』(共著/ KK ベストセラーズ)など計12 冊。HP「ハーフを考えよう



【漫画】流水りんこ

漫画家。1983 年、『魍魎伝説』(廣済堂)でデビュー。ホラー漫画家として活動したのち、バックパッカー時代のインドでの経験や、インド人男性との国際結婚、2 児の育児を題材としたエッセイ漫画も執筆。代表作『インドな日々』(朝日新聞出版)、『インド夫婦茶碗』(ぶんか社)など著作多数。日常のささいなことを丁寧にユーモラスに描く作風が人気で、人物の表情の豊かさやギャグの面白さに定評がある。近刊に『満員電車は観光地!? 』『「小顔」ってニホンではホメ言葉なんだ!?』(共著/ベストセラーズ)、『流水さんの霊能者行脚』(ぶんか社)、『流水りんこのアーユルヴェーダはすごいぞ~! 』(主婦と生活社)など。HP「りんこNIVAS



 


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