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ドイツ人が目を丸くする日本の「おひとりさま天国」

男の価値は年収より「お尻」!?①

「カップル社会」ならではの理想の相手

 これは「カップル社会」ならではの感覚だと思うのですが、ドイツ人も含む欧米人全般は、恋愛相手やパートナーを探す時、無意識に「自分と並んで絵になる相手」を探しているような気がします。

 なんとなく、心のどこかで「この男性(あるいは女性)と並んで、『絵になる』だろうか……?」と想像しながら恋に落ちているように思うのです。

 アメリカの場合はプロムがありますし、やはり10代の頃から「彼と並んだ時に、素敵なカップルに見えるかしら?」という「見た目上の『つり合い』」がつねに重要視されているように思います。

 ドイツも他の欧米諸国同様に「カップル社会」ですので、カップルで公式の場に出かけたり遊びに行く機会が日本よりも多く、そういういう意味で「絵になる」ことを気にするのでしょうね。

 ドイツの10代の子は、「社交ダンス」(!)をダンススクールで習いますが、そこでのパーティー(10代だけど舞踊界の予行演習みたいな感じ)など、まさに「カップルで踊って、絵になるかどうか」がモノをいいます。

 少し話がそれますが、ドイツのパーティーの招待状を見ると、ドイツがいかにカップル社会かが分かって面白いです。日本の場合、出欠の欄には、「ご出席」と「ご欠席」の2つの選択肢しかありませんが、ドイツでは、「ご出席」のところにさらに選択肢があり、「パートナーと共に出席」、または「ご本人のみ出席」というふうに選べるようになっているのです(ただ、サンドラとしては、「お友達」の欄もあってもいいんじゃないの? と毎回思うのですが)。

 ちなみに、日本だと、会社の忘年会や新年会に参加する際は、基本的に一人で参加しますよね。でも、ヨーロッパでは、アフター5も週末も、会社のクリスマス会(日本でいう忘年会のようなもの)への参加も「パートナーと一緒」のものも多いのです。周りの人々もそれを求めがちなんですね。

 日本だったら、会社の忘年会に彼氏や配偶者を連れてくる人のほうが奇異の目で見られそうですが、こればかりは、日本と欧州諸国の「感覚の違い」なのかもしれません。

 話を戻すと、日本は女子同士での行動(週末のお茶やおでかけなど)も多いし、結婚となると「人前に出て絵になるカップルであるか」という見た目上のことよりも、安定した収入だとか、彼の家族構成や、家族と仲が良いかなど、性格的なものが重視されている気がします。

(『男の価値は年収より「お尻」!?』より構成)

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サンドラ・ヘフェリン/流水りんこ

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【原作】サンドラ・ヘフェリン

1975年生まれ。ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴20 年。 日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「ハーフとバイリンガル問題」「ハーフといじめ問題」など、「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。著書に『ハーフが美人なんて妄想ですから!! 』(中公新書ラクレ)、『ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(共著KADOKAWA)、『爆笑! クールジャパン』(共著/アスコム)、『満員電車は観光地!?』『「小顔」ってニホンではホメ言葉なんだ!?』(共著/ KK ベストセラーズ)など計12 冊。HP「ハーフを考えよう



【漫画】流水りんこ

漫画家。1983 年、『魍魎伝説』(廣済堂)でデビュー。ホラー漫画家として活動したのち、バックパッカー時代のインドでの経験や、インド人男性との国際結婚、2 児の育児を題材としたエッセイ漫画も執筆。代表作『インドな日々』(朝日新聞出版)、『インド夫婦茶碗』(ぶんか社)など著作多数。日常のささいなことを丁寧にユーモラスに描く作風が人気で、人物の表情の豊かさやギャグの面白さに定評がある。近刊に『満員電車は観光地!? 』『「小顔」ってニホンではホメ言葉なんだ!?』(共著/ベストセラーズ)、『流水さんの霊能者行脚』(ぶんか社)、『流水りんこのアーユルヴェーダはすごいぞ~! 』(主婦と生活社)など。HP「りんこNIVAS



 


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