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【提言】正しい運動習慣で“二次健康被害“を防ぐ

健幸長寿社会の実現を目指すトップチームの対談

■運動を続けるにはコミュニティ化が急務

●久野)─大学で「死ぬまで参加していただく健康教室」というのを行っているのですが、筋トレやエアロバイクをするだけなのに(笑)ずっと続いている。「生きがいや趣味ができると人生が楽しくなる」ことを理解できた人は続くんですよね。運動は汗をかく気持ちよさも楽しみの一つですが、そういうことも大きなポイントだと感じています。

●増本)─カーブスでも入会時は時間をかけてカウンセリングを行うのですが、そこでは身体のことだけでなく、健康になったらどうなりたいか。何がしたいかなどの目標を聞くんです。運動の目的は「健康になりたい」ですが、独りぼっちで健康になりたいとはあまり思いませんよね。その人なりの人生の幸せを忘れてはいけない。運動を指導をするだけではだめ。私どもが提供するのは「人生を豊かにしてもらうための30分」だと思っています。

●久野)─いまは運動を習慣化するきっかけや環境が少ないですよね。流行の24時間フィットネスも都市部やオフィス街には多いが、地方や住宅地には少ない。仕事の合間にちょっと運動ができるような、地域の中にスポーツができるインフラがないと、リモートワークを進めてもますます健康被害が起こる、ということを今回知ることができました。カーブスは住宅街にあるのがメリットだと思うので、自治体と連携して30~50代の有職女性を受け入れることなども検討して頂きたいです。

●増本)─自治体との連携で言いますと、鳥取県大山町から「町の健康作りのために」と依頼されて出店したことがあります。人口等を考えれば、出店の可能性は高くないエリアなのですが…地域の健康課題解決に役立てるのであれば、今後も前向きに取り組みたいと考えています。

増本 岳氏/株式会社カーブスジャパンの代表取締役会長

 

●久野)─場所は民間が提供し、人を集めるのは自治体が行う形は良いと思います。あとは医師会とも連携を強化することで「社会的処方」も可能になると考えています。運動不足で持病が悪化している人たちを、クリニックから自治体へ、そして自治体が仲介して運動教室へ繋ぐ…こういった連携はどんどん進めるべきだと思います。

────今後予定しているお取り組みや抱負などをお聞かせ下さい。

●増本)─私どものメソッドをより広くの方に波及させたいと考えています。10年以上研究を続けてきた「メンズカーブス(男性会員のみ)」がようやく4店舗になりました。一度始めると男性は通勤のようにルーティン化する人が多い印象があります。

●久野)─女性にはカーブスのようなコミュニティがありますが、男性にはまだ無いというのは課題だと思っていましたので、大変期待しています。ちなみに、カーブスさんはオンラインの活用はどのような感じですか?

●増本)─タブレット端末を支給し、家で運動してもらうトライアルを行っていますが…、お孫さんとのやり取りなど、個人的な用途にも使われていたりしますね(笑)。カーブスにしばらく来れない人もしっかりサポートしていくことはもちろん、ゆくゆくは会員同士での「オンラインお茶会」など、コミュニティ的な活用についても検討しています。

●久野)─実は今日、営業中の教室にはじめて伺ったのですが、カーブスさんは完全にスポーツコミュニティーですよね。無関心層に運動を継続してもらうためには、このような場所が極めて重要だと改めて感じました。

●増本)─もっと通いたくなる。だから継続できる。それによってみなさんの健康寿命延伸に寄与できれば、こんなに嬉しいことはありません。今後も自治体との連携なども視野に、さらに正しい運動習慣を広げ、高齢者が健康で幸せに暮らせる…そんな社会にしたいです。

●久野)─これまでは積極的に健康情報を得ようとしなかった人々の関心が高まっている今は、様々な施策を進めやすいとも考えられます。「健幸長寿社会」の実現を目指して、これからもよろしくお願いします。

●増本)─こちらこそ、よろしくお願いします。

────本日はありがとうございました。


 運動をすることや健康になることが目的ではない。二人を中心にこれからつくられていくであろう健“幸”長寿社会の主役は私たちなのだ。だからこそ、自分の「幸せ」のために、正しい運動習慣を持ってほしい。

 

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■株式会社カーブスジャパン

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【運動でコロナ予防】免疫力アップトレーニングシリーズ〈筑波大学 久野研究室/企画・制作〉

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