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先が見えない時代に必要なメンタルとは【久瑠あさ美メンタルトレーニング】

久瑠あさ美の「コロナ禍以後をいかに生きるか」Vol.4


 コロナ禍によって、それ以後の生活スタイルや、働き方、生き方までも変わろうとしている今、この不透明な時代に対して多くの人たちがこれまで以上に大きな不安を抱いています。家庭内DVの増加、鬱症状による心身の不調、またこれから生きていくことに自信さえも無くしてしまった、などという人たちも多くいます。今後、自分たちを取り巻く世の中もさらに不安定なものになっていくことが予想されています。しかしそれでも、今回のウイルス禍を「自分と向き合い、自分の在り方やこれからの生き方を見直すきっかけ」ととらえ直せるかどうかが大切だと考えています。 
 ならばどうやってこの逆境を乗り越えられるのか? 
 どうしたらより良く生きることができるのか? 
 数多くの著名人たちから支持を受けているメンタルトレーナーの久瑠あさ美が、初めてYouTube動画と連動してお送りするメンタルトレーニングの実践現場を公開。久瑠式メンタルトレーニングのノウハウを余すことなく披露した集中連載として同時連載していきます!(聞き手:弊社編集・鈴木康成)


*まずは以下の映像をご覧ください。
https://youtu.be/snxjyntZ46U

この動画のポイント:
・「未来なりたい自分になるために、今日なにができる?」と問いかける
・「必ず失敗する」を前提に練習する
・「できようができまいが俺はやるんだ」
・分岐点がやってきた時、続ける道は前とは違う形で必ずある

■アスリートが練習できなくなったらどうする?

久瑠)——コロナの自粛期間中に、Skypeを通じてあるトップアスリートとメンタル・トレーニングを行いました。

 そのアスリートが気を揉んでいたのは、やはり「練習ができない」「試合が本当に始まるんだろうか」、そして「これから自分の種目はどうなるんだろう」ということです。
 今は社会全体が生きるか死ぬかの状況です。端的には、医療現場でも「人の命を救える」ことが絶対ではない。
 そのような状況の中で、スポーツをどれだけの人が観に行くのか、興行として成り立つのか。そもそも試合ができる状況になるのか。それが目下の悩みになっていたんです。
 でも本来、そういった事情に彼らがいくら向き合ったところでどうにもならない。大事なことは、時に最高の「呼ばれた時に最高のパフォーマンスを出せるか」ということだからです。
 集団競技なら、たとえベンチ入りしていなくても二軍で練習している選手がいます。今まで二軍から上がれなかった選手にとっては、一軍のピラミッドを突き崩すチャンスになる。

 なぜこの状況が彼らアスリートを不安定にさせてしまうかというと、やるべきことが見えてないからです。常に「潜在的なもの」が見えている選手にとっては、「なにかのきっかけで競技が開かれない」というのも当然起こり得る状況にすぎません。ならば単純に、「自分をもう一回作り直す時間」に充てればいいだけですよね。
 いつもの練習ができないから、体力がどんどん落ちている。じゃあどうしているのか聞いてみると「稽古場が開いてない」「練習相手がいない」と、「ない」ことばかりに意識が向いてしまって、何もできずに落ち込んでしまっている。結局、ここ数週間、何もできていない自分に対して不安や焦りを感じてしまい、一番大事なことに手をつけられずにいる。
 しかし実際に起こっていることは、“いま”という状況においてただ単に「これまでの慣れ親しんでた自分のやり方」ができないだけで、ならば自分の内側の常識を変えてしまえばいいんです
「練習相手がいないから練習ができない」それは、たしかに一ヶ月前まではそうでした。
 でも「この前まではそうだった」「だからまた戻れるんじゃないか」という考えは、ここで捨てたほうがいい。できていない現実とできていた過去を比較し、何もできない自分の無力感ばかりを募らせてしまうからです。大事なのは「戻る」ことなんかではなく、「未来になりたい自分になるために、今日なにができるか?」なんですよ。
 このマインドは、災害が起きても起きなくても変わらないんです。

■本番に強くなるための練習とは?

 自分の周りの環境が変わっただけで、自分のマインドを変えないといけない理由はない。
 その意味で「今まで毎日やってきたこと」つまり自分を高めていくことをやり続ければいいんです。優勝を目的にする一年先、その先の三年先までプロとして活躍する自分を、“いま”から創り上げていく。
 多くの選手は、「試合のための練習」をします。そこには、試合が「本番」で、練習は「日常するもの」だという意識が存在します。前提があります。
 試合がなくなることを想定もしていないので、そうでない練習に対してはモチベーションのバランスが崩れてしまい、不具合が生じてしまう。そのマインドがこの状況で露呈してしまったんです
 だから私はトレーニングの時に、必ず「試合のための練習をしちゃダメだ」と伝えます。
 「練習は練習」で「本番は本番」というマインドでは、本番でいつもの力を発揮できる確率がすこぶる下がる。本番は何が起こるか分からないから、「当たり前にいつもやってることをやればいい」だけなんです。

 その「当たり前にできるレベル」を上げるためには、「本番を楽しめる」ように練習することです。
 本番を楽しめる人というのは、「いかに楽勝できるか」それを楽しみに思って練習します。何が起きてもリカバリーできる力を蓄えるための練習、つまり「失敗を前提とした練習」をする。そこまでやるから、毎日練習を続けても飽きないんです。
 転ばない練習をすると、転んだ時にパニックになります。「失敗は必ずある」を前提にしたマインドのほうが、人生楽しい。だから「自分ができないこと」をやっていく。完成形に向かわない。どんどんとっ散らかしてく。それが、「失敗を前提とした練習」です。
 普段、目の前のことで精一杯だった選手であれば、やがて訪れる本番のために、「本番を楽しむための練習」を始める機会にしてみる。今の状況を、自分なりの練習法を新たに確立するきっかけにすればいいんです。

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久瑠 あさ美

くる あさみ

メンタルトレーナー/作家
「ff Mental Room」(フォルテッシモメンタルルーム)代表。
日本芸術療法学会会員。日本産業カウンセリング学会会員。日本心理学会認定心理士。
精神科・心療内科の心理カウンセラーとして勤務後、トップアスリートのメンタルトレーニングに積極的に取り組み、注目を集める。企業経営者、各界アーティスト、ビジネスパーソンなど個人向けのメンタルトレーニングを行い、延べ10万人を超えるクライアン ト実績。企業や自治体への講演活動や人材教育、「潜在能力を引き出す突破力研修」など潜在的な力を引き出す人材育成プログラムを開発。医療、介護に特化したマインドプログラムにおいては、空間創りから参加するなど活動は多岐に渡る。毎月開催される本格的な体感トレーニングを行う<心を創るマインド塾>や<メンタルトレーナー養成塾>や年2回の〈春期・秋期「マインドの法則」~3日間“心の実学”集中セミナー〉を主宰している。『鏡面感覚トレーニング』、『コラージュトレーニング』など感性を高める実践的な単発レッスンも行っている。雑誌・テレビ・ラジオなどメディア出演も多数。
著書に『人生が劇的に変わるマインドの法則』『このまま何もしないでいればあなたは1年後も同じだが潜在能力を武器にできれば人生はとんでもなく凄いことになる』など累計100万部を超える。
◆ff Mental Room ホームページ http://ffmental.net

◆久瑠あさ美のメンタル・ブログ http://blog.livedoor.jp/kuruasami/

◆久瑠あさ美チャンネル https://www.youtube.com/channel/UCoIa4RKKVUloNCOXKp70Tqg

 [ff Mental Room HPトップページから無料動画視聴可]

◆久瑠あさ美のメルマガ マインド塾 https://www.mag2.com/m/0001691561.html?reg=mag2top

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  • 久瑠 あさ美
  • 2012.02.13