難病「魚鱗癬」の息子が向き合わせてくれた父母への感謝。「笑顔の決意」紙袋に詰められた想い | BEST TiMESコラム

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難病「魚鱗癬」の息子が向き合わせてくれた父母への感謝。「笑顔の決意」紙袋に詰められた想い

難病を持つ我が子を愛する苦悩と歓び(21)


 難病「道化師様魚鱗癬」を患う我が子と若き母の悲しみと苦しみ。「ピエロ」と呼ばれる息子の過酷な病気の事実を出産したばかりの母は、どのように向き合ったのか。『産まれてすぐピエロと呼ばれた息子』著作を綴った「ピエロの母」が医師から病名を宣告された日、母は我が子の「運命」を感謝しながら「これからの親子の人生を豊かなものにしよう」と新たなる決意をした。
 今回は、息子と向き合うことで見えたピエロの母自身の子供時代の切ないエピソード。人の子の母となることは、自分の母、父を思うことでもあることを静かに綴ってくれた。


■紙袋に詰められた想い

いつ退院できるか分からなくて、まだ新しい服は1枚もなく、
紙袋の中身は全て、甥っ子2人のおさがり。
私は兄、兄、私の3人兄弟の末っ子
長男とは歳が離れていることもあり、あまり話をしたことがなく、いつしか「おはよう」という簡単な4文字の挨拶ですら、なかなか交わせない関係となっていた。

そして私には父親はいない。

正確には、私が18歳になるまではいた。
けれど父親だと思ったことは、物心がついた頃からは一度もなく、「さようなら」をした最後の日、
久しぶりに目を見て話をした。
「いつまでも可愛い娘や思とるから」
そう言う、あの人を私は無言で見送った。
心の中で「さようなら」をした。
周囲には「やっとおらんくなったわ〜」なんて言っていたけれど、本当は泣いたんだ。

さびしくて、悲しくて。
でも、それはあの人がいなくなったから、淋しいのではない。

ただ、ずっと「父さん」と呼んで頼れる存在がほしかった。

「父さん、あのね」
「父さん、聞いて」

それでも、そんな想いを上回るほどの愛情を、私は母親から貰っていた。
母はいつでも私の味方をしてくれる。
理解してくれる。
きっと、あの人に関しては、私よりも母の方が辛い想いをしている。
けれど母はいつも笑顔だった。
母の優しい強さに、私はいつも救われていた。

陽が産まれて「家族」の形が少し変化した。
それは、長男との関係。
「お前は大丈夫なん?」

「陽は?」と心配して、訪ねて来てくれるようになった。
まだまだ言葉数は少ないが「これ」といって紙袋いっぱいに「陽へ」と服をくれた。
私が喜んで貰うと、次は段ボールいっぱいの服をくれた。
まだ陽には大きすぎる服も入っていた。
「ありがとう」

そして陽が産まれて、初めて迎えたゴールデンウィークには、
長兄家族、次兄家族、私たち家族、母。
みんなで集まってご飯を食べ、1つの部屋でゲームをして盛り上がった。
こんなこと、今までなかった。
皆で楽しめるようにと、用意してくれた夫のおかげだね。
陽が産まれてきてくれたおかげだね。

私は何よりも、兄弟仲良く、家族揃って笑って過ごす様子を、嬉しそうに見守る母の姿に、涙が出そうになった。
私がこの景色を望んでいたよりもっと、母はこの景色を強く望んでいただろう。
母さん、遅くなってごめんね。
そしてこれも、陽が起こしてくれた“奇跡”だね。

『産まれてすぐピエロと呼ばれた息子』より)

【参考資料】
本書をもとにCBCテレビ『チャント!』にて「ピエロと呼ばれた息子」 追跡X~道化師様魚鱗癬との闘い(6月26日17時25分より)が放送されました。

https://locipo.jp/creative/41a0b114-7ee7-4f24-976c-e84f30d2b379?list=5a767e90-3ff9-479c-a641-e72e77cf42c3

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【参考文献】

『産まれてすぐピエロと呼ばれた息子』(アメーバブログ)

産まれてすぐピエロと呼ばれた息子(書籍)
ピエロの母

本書で届けるのは「道化師様魚鱗癬(どうけしようぎょりんせん)」という、50~100万人に1人の難病に立ち向かう、親と子のありえないような本当の話です。

「少しでも多くの方に、この難病を知っていただきたい」

このような気持ちから母親は、
息子の陽(よう)君が生後6カ月の頃から慣れないブログを始め、
彼が2歳になった今、ブログの内容を一冊にまとめました。

陽君を実際に担当した主治医の証言や、
皮膚科の専門医による「魚鱗癬」についての解説も収録されています。

また出版にあたって、推薦文を乙武洋匡氏など、
障害を持つ方の著名人に執筆してもらいました。

障害の子供を持つ多くのご両親を励ます愛情の詰まった1冊です。
涙を誘う文体が感動を誘います。
ぜひ読んでください。

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ピエロの母

50~100万人に1人の割合で生まれてくると言われる「道化師様魚鱗癬」という難病を患った長男を出産。出産から現在に至るまでの闘病を記したブログは反響を呼び、Amebaブログではすでに3000人以上のフォロワー数がおり、また同ブログのハッシュタグ記事ランキングの『#難病』部門では、トップランキング入りすることも多数ある。1987年生まれのO型。関西某県の田んぼと山が見渡せる長閑な田舎暮らし。元保育士で現在は専業主婦。


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  • ピエロの母
  • 2019.11.09