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米大統領選挙における本当の敗北者はメディアだ

グローバリズムの終焉Ⅰ日本が“真”の独立をするときが来た②

純真な若い記者たちに望むこと

 日本のメディアもずっと負け続けています。安倍自民党が2回の衆議院総選挙で大勝しました。そして、参議院議員選挙でも自民党は2回続けて勝ちました。そのときも私はこう言いました。「最大の敗北者はメディアです」と。
 イギリスでも間違え、アメリカのでも間違えた欧米日のメディア……。これはひとえにメディア自身の不勉強が招いた結果です。メディアに出てくるコメンテーター、あるいは知識人や専門家と称する人たちの敗北です。そのことに彼ら自身が気づかなければいけないでしょう。

 日本のメディアもいい加減に目を覚まして欲しいという気持ちでいっぱいです。これでもなお目を覚ますことができなければ、もう半ば永遠に目は覚めないもかもしれません。私はそのくらいの危機感を抱いています。メディアの関係者の方々には、もっと「真実を見ようとする態度」を持っていただきたい。
誰かが言っている方向あるいは枠組みにしたがって報道するのは間違っています。日本の言語空間の支配に縛りつけている最大の戦犯はメディアです。GHQの占領時代からずっとメディアは間違った報道をしてきました。
 ところが、世界はどんどん変わってきています。日本国民ももちろん変わってきています。しかし、メディアはそれを見ない、見るのが怖いからです。今まで自分たちがやってきたことの嘘がばれるから怖いのです。それはメディアの自殺行為になる。だから彼らはできないのです。

 そうはいうものの、私は若い記者には期待しています。若いジャーナリストと話す機会がけっこうあるのですが、彼らは純真です。ですから、私はまだ完全には諦めてはおりません。今のメディアのあり方はおかしいと思っている若くて純真な人たちに、悪名高いメディアを内部から改革していっていただきたいと思っています。

〈『グローバリズムの終焉「日本再発見」講座Ⅱ』より構成〉

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馬渕 睦夫

まぶち むつお

元駐ウクライナ兼モルドバ大使、元防衛大学校教授、現吉備国際大学客員教授。

1946年京都府生まれ。京都大学法学部3年在学中に外務公務員採用上級試験に合格し、1968年外務省入省。

1971年研修先のイギリス・ケンブリッジ大学経済学部卒業。2000年駐キューバ大使、2005年駐ウクライナ兼モルドバ大使を経て、2008年11月外務省退官。

 同年防衛大学校教授に就任し、2011年3月定年退職。2014年4月より現職。

 金融、財政、外交、防衛問題に精通し、積極的な評論、著述活動を展開している。

 著書に、『国難の正体』(総和社)、『世界を操る支配者の正体』(講談社)、『日本「国体」の真実』(ビジネス社)、『そうか、だから日本は世界で尊敬されているのか! 』(ワック)などがある。


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