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ウイルスに立ち向かう切り札は「政府」だ!

【佐藤健志「令和の真相」Vol.27】

◼️予言された疫病の記録

ダウニング街10番地にてボリス・ジョンソン英首相(写真:AFP/アフロ)

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行、すなわちパンデミックは、2020年の世界を揺るがしていますが、このような事態が発生する危険性は、30年以上前、すでに予言されていました。

 1989年のクリスマス直前、ハワイで開かれたアメリカ熱帯医学会の年次会合において、あるシミュレーション・ゲームが行われたのです。

 ここでは赤道付近のアフリカ某国で民族紛争が激化したという設定のもと、「国際医療救援チームや国連の平和維持部隊も入っている難民キャンプ地域で、空気感染するうえ、死亡率も100%近い未知の感染症が発生したらどうなるか」が検討されたのですが、結果は以下の通り。

 (1)疫病が発生したと分かってすらいない段階で、アメリカ、フィリピン、タイ、ドイツ、および周辺のアフリカ諸国に感染者が移動している。

 (2)ありとあらゆる方法を用いて、病原体を特定し、制御しようとしても、1ヶ月以内に地球規模のパンデミックが発生する。

 ・・・何というか、今回のコロナ・パンデミックがチャチに見えてくるではありませんか。

 新型コロナウイルス感染症は空気感染しませんし、高齢者や基礎疾患のある者を除けば、死亡率も恐ろしく高いわけではありません。

 ハワイ・シミュレーションのような感染症(「突然変異を起こして、空気感染するようになったエボラウイルス」のイメージだったそうです)が起きたら、人類滅亡とまではゆかなくとも、現在の文明社会は間違いなく崩壊します。

 医学・科学ジャーナリストのローリー・ギャレットは、くだんのシミュレーションについてこう述べました。ギャレットは1996年、ザイールで生じたエボラ出血熱のアウトブレイクをめぐる記事により、ピューリッツァー賞を受賞した人物です。

 【遺憾ながらこのゲームは、われわれの社会が疫病発生にたいし、ゾッとするほど対処能力を欠いていることを暴露した。ホノルルの会場の雰囲気は、ゲーム開始から5時間ですっかり暗くなってしまった。不安でたまらないものになったとさえ言えるだろう。防疫体制のあり方は、欠陥だらけで脆弱すぎるうえ、連携能力をあまりに欠いたものだった。】(ローリー•ギャレット『来たるべき疫病』、ファラー•シュトラウス•アンド•ジロー社、1994年、594ページ。拙訳、以下同じ)

 「これが最悪と言えるうちは、まだ最悪ではない」とは、シェイクスピアの傑作『リア王』の台詞(第4幕第1場)。ならばわれわれの取り組むべき課題は、以下の二つとなるでしょう。

 第一はコロナ・パンデミックを、感染被害と経済被害の両面において、最小の犠牲で乗り切ること。

 第二は今回の事態を、将来の疫病発生にたいする防御システムを構築する契機とすることです。

 そのためのポイントは何か。

 理解の糸口となるのは、面白いことに、ハワイ・シミュレーションの行われた日付です。

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 『 平和主義は貧困への道 または対米従属の爽快な末路 』
佐藤 健志 (著)

  

 

 だけど、日本は大丈夫!

 わが国の平和主義が、非現実的な観念論に終始しがちなことは、よく知られている。それにより、戦争の危険がかえって高まりかねないことも、しばしば指摘されてきた。

 「平和主義は戦争への道」というわけだが…
誰も気づかない事実を明かそう。
平和のもとで、国はたいがい繁栄する。ところが戦後日本の平和主義は、貧困を不可避的にもたらすのだ!

 平和主義、それは貧困への道なのである! !

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佐藤 健志

1966年東京都生まれ。評論家・作家。東京大学教養学部卒。1989年、戯曲「ブロークン・ジャパニーズ」で文化庁舞台芸術創作奨励特別賞受賞。

主著に『右の売国、左の亡国』『戦後脱却で、日本は「右傾化」して属国化する』『僕たちは戦後史を知らない』『夢見られた近代』『バラバラ殺人の文明論』『震災ゴジラ! 』『本格保守宣言』『チングー・韓国の友人』など。

共著に『国家のツジツマ』『対論「炎上」日本のメカニズム』、訳書に『〈新訳〉フランス革命の省察』、『コモン・センス完全版』がある。

ラジオのコメンテーターはじめ、各種メディアでも活躍。2009年~2011年の「Soundtrax INTERZONE」(インターFM)では、構成・選曲・DJの三役を務めた。


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  • 佐藤 健志
  • 2018.09.15