痛みの専門医がコッソリ教えてくれた。繰り返す「痛み」が軽減する5つの習慣 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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痛みの専門医がコッソリ教えてくれた。繰り返す「痛み」が軽減する5つの習慣

痛みの専門家•伊藤和憲先生が伝授する「痛みのセルフケア」<10>

【習慣5】五感

音楽や香り、自然を感じて
心と体を健康な状態へと導く

 心地よい音楽を聴いたときに、ゆったりと落ち着いた気分になったり、エネルギーや活力を感じたりした経験はありませんか? また、心地よい香りを嗅いで、爽快な気分を味わったり、安堵感を覚えたりすることもあるでしょう。
そんな風に五感を研ぎ澄ませることで、体を癒すことができます。
 しかも、ただ癒すだけでなく、その行為は他の効果も期待できます。好きな音楽を聴けば、自律神経が整えられ、アロマなどの香りを嗅ぐと、副交感神経の働きが活発になったり、末梢の血流がよくなることも実証されています。動物と触れ合ったり、花や自然を愛でたりすると、自律神経の乱れが落ち着くこともあります。このように、視る、聴く、嗅ぐ、味わう、触るという感覚は、脳に影響が強い「脳神経」を刺激するため、様々な効果をもたらすのです。そのため、不安や緊張により変化する痛み、さらに慢性痛など、脳が関与する痛みは五感を刺激することが重要なのです。
 そんな風に五感を研ぎ澄ますことは、体の機能を高めてくれる効果とも関連しています。

 そして、何より重要なことは、音楽を楽しむ、香りに癒される、自然の中を歩くといった行為により、痛みに対たい峙じしている自分の気持ちを外へと向けることが大切なのです。それを踏まえた上で、心と体を癒す楽しみを見つけてみましょう。

『慢性痛は自分で治せる!』より構成

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伊藤 和憲

いとう かずのり

明治国際医療大学教授。鍼灸学博士。全日本鍼灸学会理事。大阪大学医学部生体機能補完医学講座特 認研究員。1972年生まれ。2014年4月、厚生労働省の科学研究費を得て「慢性痛患者のためのセルフケアガイドブック」を作成。明治国際医療大学京都桂川鍼灸院「mythos361」 院長を務め、「はり・きゅう」の治療に当たるとともに、慢性痛患者のためにセルフケアを指導。また、地下鉄サリン事件やJR福知山線脱線事故の被害者の「痛み」ケアにも当たっている。専門家や一般市民に向けて年に50回以上の講演を行なっている。


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  • 伊藤 和憲
  • 2017.01.21