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浦和・遠藤「失点が多いのは気になる」。危機感がもたらしたチームの変化

攻撃的なサッカーを貫く浦和レッズで守備の要であること

深化し始めたコミュニケーション

 僕自身、浦和のスタイルとして前向きにいく中で、よりチャレンジする守備ができるようになってきたし、インターセプトを狙う意識も向上したという手ごたえがありました。ただ、実は、どこか自分の間合い――自分の持っている守備のストロングポイント――を生かせていない気もしていました。

 例えば、前を意識するあまりに行き過ぎて裏を取られる。入れ替わられる……。そんなシーンに思い当たっていたわけです。
 ACLのFCソウル戦の前日のことです。
 富士ゼロックス・スーパーカップ、ACLのウエスタン・シドニーそしてJリーグ開幕戦となる横浜Fマリノス戦を戦って、なんとなくもやもやしたものを感じていた僕は、就寝前にひとり、ああでもない、こうでもないと考えを巡らせていました。

 そしてもう一度、自分の守備の原点に立ち戻ってみてはどうかと思うに至りました。
 昨シーズンは一年目ということもあって、あえて「迷ったら前へ」行こうと考えていたところがありました。今シーズンはそれが裏目に出るシーンがある。ならば、自分の良さ――ピッチ全体を俯瞰し、いいポジショニングからのしっかりとした守備という自信を持っているプレーを、状況によって選択肢にいれていいのではないか。前に行くばかりではなく、状況によって自分の判断をしっかりと信じてみよう……。

 その点で、FCソウル戦とそれに続くセレッソ大阪戦は僕にとってはいい手ごたえがあります。ACLの上海上港戦については、改めて検証が必要だと思いますが、この5連戦でつかんだものは、この先に繋がるのではないか、と今、感じています。
 もうひとつ、こうしたことができるようになったのには、(これも以前に書きましたが)ピッチ内でのコミュニケーションがしっかりはかれるようになってきたことも大きいと思っています。

 最近、クラブハウスで槙野君や阿部さんを中心に選手たちで映像を見ながら守備シーンについて話し合うことがありました。その後も、リカバリーの日など、練習の負荷が大きくない日にはジョギングをしながらずっと「守り方」について議論を交わしています。僕自身も伝えたいことがより伝えられていますし、他の選手たちの考えもより理解できるようになってきました。

 どちらかというと、攻撃の形に関する話しが多かった昨シーズンに比べ、守備の話が増えてきたことは、チームにとって新たな変化だと思っています。
 シーズンはこれからです。安心して試合を観に来てもらえるようなチームになるまで、一歩一前進していきたいと思っています。

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遠藤 航

えんどう わたる

浦和レッズ

1993年2月9日生まれ。神奈川県横浜市出身。

2008年に湘南ベルマーレユースへ加入すると、2010年には2種登録選手としてJ1で6試合に出場し1得点。翌年に、正式にトップチームへ昇格、主にセンターバックとして活躍する。各年代の日本代表にも招集され、リオ五輪を目指すU-23代表では主将を務め、リオ五輪代表出場権を勝ち取った。2016年シーズンより浦和レッズに移籍。



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