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巣ごもり生活で体力、免疫力を落とさない食べ方術

"皮ごとキウイ"で効率よく栄養補給


 東京都内で新型コロナウイルスの感染が拡大していることを受けて東京都は不要不急の外出を控えるように要請を出しています。大規模なイベントや集会が中止になるなどの措置がとられており、人込みを避け外出を控える“巣ごもり生活”を行わなければならないような状況が続いています。今後、巣ごもり生活の長期化が想定されるなかで、大切になる“体力、免疫力を落とさない食べ方術”を東京慈恵会医科大学附属病院栄養部管理栄養士 赤石 定典(あかいし さだのり)先生にお聞きしました。


■巣ごもり生活でフレイル、認知症が進行する可能性?

 自宅で過ごす時間の多くなる巣ごもり生活における注意点を伺ったところ、赤石先生は「巣ごもり生活で日光に当たる時間が減少すると、ビタミンDが十分に生成されず不足しがちになる場合があります。人が密集しない場所への外出は
感染のリスクは低いといえますので、近所を短時間散歩するなど、日光を浴びることも大切です。」
さらに、巣ごもり生活が長期化すると、フレイル(健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態のこと)や認知症が進行することが懸念されると赤石先生は指摘します。「外出機会が減少し家庭で過ごす時間が増えると外部との接触が減少し、認知症の症状が進行する場合があります。また、運動量低下や野菜、たんぱく質不足など栄養バランスの乱れなどが原因となり、筋肉量の減少を招く可能性もあります。結果として、フレイル(虚弱状態)になってしまう懸念があります。」と赤石先生。

  

■“適度な運動”と“栄養バランスの取れた食事”が大切

<参考資料> テーブルなどを利用した“かんたんスクワット”

  

 赤石先生は「長期化する巣ごもり生活で意識したいのが、“適度な運動”と“栄養バランスの取れた食事”です。筋力低下を抑制する運動として、テーブルなどに手をついた状態で行う“かんたんスクワット”などがオススメです。さらに、食事面ではたんぱく質を意識的に摂るように心がけましょう。たんぱく質と一緒に摂ることで消化を助けてくれるアクチニジン※という酵素を含むキウイフルーツを毎日の食事にプラスすることをオススメしています。」と“かんたんスクワット”、たんぱく質とキウイフルーツの相性の良さを解説。 ※アクチニジンは特にグリーンキウイに多く含まれています。

栄養素充足率スコア 出典:ゼスプリインターナショナルジャパン調べ

■皮ごとキウイで手軽に善玉菌のエサになる食物繊維補給腸内環境改善で免疫力キープ

 「キウイフルーツは効率よく栄養素を摂れる食材です。主要な栄養素の充足率でもほかの果物と比べてもトップクラスです。ゴールドキウイはグリーンキウイに比べビタミンC が多く、グリーンキウイはゴールドキウイに比べ食物繊維が多く含まれています。コンビニでサラダを食べるより、キウイフルーツ1 個を食べる方がコストパフォーマンス良いかもしれませんね。
その他、キウイフルーツには、ポリフェノール(ファイトケミカル)も含まれています。ポリフェノールには抗酸化作用が期待できます。私がオススメしているのはキウイフルーツを皮ごと食べる“皮ごとキウイ”です。キウイフルーツをよく水洗いし、皮ごと食べることで、スプーンや包丁などを使用せず、より手軽に食べられるだけでなく、皮に含まれる食物繊維、ビタミンE、葉酸も摂取することができます。キウイフルーツが多く生産されているニュージーランドでは皮ごと食べられる方もいるそうです。」

※キウイフルーツを皮ごと食べる場合、消化器官が未発達なお子様や消化器官の弱い方は注意が必要です

  

 「また、キウイフルーツには発酵性食物繊維が含まれていると言われています。発酵性食物繊維は腸内で発酵し、腸や免疫に働きかける成分が産生されます。その結果、腸内環境が活性化され免疫の向上や便秘の解消など良い影響があるとされています。」と赤石先生。
日々の食事に手軽に栄養素をプラスできるキウイフルーツなどを活用して効率よく栄養補給し、巣ごもり生活で体力、免疫力を落とさないように心がけましょう。

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赤石 定典

あかいし さだのり

東京慈恵医科大学付属病院

栄養部係長

東京慈恵医科大学付属病院 栄養部係長 栄養管理のプロとして栄養に関する研究を行い、入院患者の献立の作成や、患者に直接栄養管理の指導やアドバイスも行う。自身が勤務する東京慈恵会医科大学附属病院栄養部が監修した『その調理、9割の栄養捨ててます!』(世界文化社)はロングセラーを記録。

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