今さら聞けない! バンクシーって何者ですか?《Who is Banksy?》【「バンクシーを作った男」単独インタビュー】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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今さら聞けない! バンクシーって何者ですか?《Who is Banksy?》【「バンクシーを作った男」単独インタビュー】

Who is Banksy? Banksy is us !

◼️「バンクシーを作った男」に「バンクシー」について直撃!

1997年〜07年まで無名時代のバンクシーが世界的アーティストになるまでマネジャーでありプロデューサーを務めたスティーブ・ラザリデス。ともにブリストル出身で「悪ノリ」度でウマがあった幸運もあったと言われる

 

 編集部———そもそもバンクシーと知り合ったのはいつだったんですか?

 スティーブ———バンクシーとして知られていた、みずぼらしくて気分屋な男と初めて会ったのは1997年頃(【註1】参照)でした。その頃の私は、最高にエキセントリックなスティーブ・ビールによって製作および編集されていた雑誌Sleeze Nation』(【註2】参照)のカメラマン兼エディターでした。バンクシーという若いイノベーティブなグラフィティ・アーティストの噂を聞きつけ、バンクシーの追跡を頼まれたのです。私たちはブリストルっ子として結束していたので、ブリストル内の連絡網を通して繋がりました。

 【註1】97年「ニューレイバー(新しい労働党)」を掲げるトニー・ブレア政権(2007年退陣)で唱えられた「クール・ブリタニア」文化政策の時代と重なる。オアシスブラーなどの「ブリット・ポップ」や映画『トレイン・スポッティング』などが世界的に評価され、彼らはヤング・ブリティッシュ・アーティスト(Young British Artists; YBAsと呼ばれた。バンクシーとスティーブの蜜月期間はブレア政権の退陣とともに終焉する。

 【註2】1996年創刊。ロンドンを拠点とする月刊のファッション&ライフスタイル&音楽誌。もともとはフリーペーパーで始まった。2003年廃刊。

◼️スティーブだけが持つ10,000点に及ぶバンクシー作品

 

 編集部———なぜ、スティーブだけがバンクシーの初期作品、未公開作品の出版世界限定2万部の本書『BANKSY CAPTURED by STEVE LAZARIDES』を作ることができたんですか? 

 スティーブ———写真に収める許可、つまりバックステージパス(主催権=版権)を私が唯一持っていたのです。つい最近全ての写真(11年間10,000点にも及ぶ作品)を見返して、その文化的価値が見えるようになりました。我々のポートレート、ストリートで作品を描くバンクシーのルポルタージュ、スタジオで撮った作品や彼の初期の作品記録など、これらに与えられるべき露出が無かったのです。

◼️本書の存在理由は、デジタル化できなかった作品だから

97年頃から2000年前半まではSNSのプラットフォームもなく、写真はデジタル化以前のフィルムがまだ主流であった。バンクシーの生まれた時期をスティーブだけが記録することができたのだ(写真:スティーブ・ラザリデス)

 

 編集部———本書が、ある意味、バンクシーがブリストルでグラフィティ・ライターとして生まれた瞬間を収めた唯一の作品と言われる理由なんですね。

 スティーブ———90年代後半はフォトグラファーにとって変わった時期でした。フィルムカメラの最後の時期であり、デジタル写真が始まったからです。スマホはもとより携帯のカメラは無く、ソーシャルメディアといったプラットフォームもありませんでした。もしこれらがすでに普及していたとしたら、写真をアップしてから数時間で数百万のフィードに拡散されたことでしょう。そうすれば、この本自体存在しなかったはずです。私自身が正しい場所と時間に居れたことに感謝するばかりです。

 編集部———最後に、日本のバンクシーのファンに一言。

 スティーブ———本書は、無名時代から世界的なストリート・アーティストになるバンクシーのエクスクルーシブな(exclusive;この本でしか見れない)作品集です。ぜひ、みなさんにとってまだまだ知らないバンクシーの魅力を知ってもらいたいのです。バンクシーとは、何者なのか? 本書で作品を眺め、読んだ時に、あなた自身の心の中のバンクシーを見つけることができるはずです。つまり、バンクシーは私たちだ(Banksy is us !)ということを。

 (次回は、今さら聞けないバンクシーQ&A3択クイズをお送りします!)

最後におさらい&予習
【バンクシー年表】
1973~75年 イギリス・ブリストル近郊で誕生したとされている。
90年頃から 地元でグラフィティ活動を開始。
95年頃から ステンシルを用いた技法へ移行し、英米で幅広い活動を行う
2005年 メトロポリタン美術館MoMA大英博物館などに勝手に侵入、自身の作品をゲリラ展示して騒動に。
2010年   初の監督映画『 イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』を公開。その後もガザ地区パレスチナ自治区ベツレヘム、世界各国にてグラフィティ活動を継続。
2018年 サザビーズでの「シュレッダー事件」が世界的ニュースに。
2019年 作品『英国の地方議会』(議員はチンパンジーになっている)がサザビーズで13億円で落札された。

 

 世界限定20,000部の一部が日本で販売!
英国では即完売となり、
今や日本でしか手に入らない幻の1冊!
BANKSY CAPTURED
by STEVE LAZARIDES

 【公式サイト】
URL:https://banksycaptured.tokyo

 ◼️先行予約販売 :
2020年5月14日まで
※発送は・・・5月12日ごろを予定
◼️一般販売開始:
2020年5月15日予定
◼️一般販売店舗:
書店などで販売
※上記公式サイトにて決定後順次アップ
◼️販売価格:
13,200円(税込)※本体12,000円

 【SNSにて関連情報 随時配信中】
 banksycaptured.japan 

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スティーブ ラザリデス

STEEVE LAZARIDES
元雑誌『Sleaze Nation』のカメラマン兼フォトエディター。1997年から約11年間に渡り、バンクシーの右腕として作品の撮影や車の運転などを担当し、10,000点以上のバンクシー関連の写真を撮り続けてきた。またバンクシーの代理店として知られている英国のアートギャラリーのオーナー。彼は、ストリートアートの普及に貢献した最初の人物の1人として、またアンダーグラウンドアートの最新トレンドの権威として知られています。

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