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お名前は「頂戴」できるのか? 第一印象を決めるのはやっぱり「言葉遣い」

言葉遣いの基本は「敬語」 押さえておきたい敬語の実例 ③

この春新入社員になるあなたへ。第一印象を決めるのは、まず「言葉遣い」。そして、その言葉遣いの基本となるのが「敬語」だ。大ベストセラー「頭がいい人の 敬語の使い方」シリーズの著者・本郷陽二氏のシリーズ最新刊、『一言で印象が変わる さすがと思われる話し方』(ベスト新書)から、押さえておきたい敬語の実例を紹介する。

名前を「頂戴」されても困ります

イラスト/ホセ・フランキー

 何かを申し込む際に、受付担当者から「お名前を頂戴できますか?」と言われた経験はないでしょうか。

 ごく当たり前に使われているので、違和感を覚えない人が増えているようですが、「へんな日本語」「言われるたびにイラッとする」という人もいます。

「頂戴できますか?」の正しい使い方は、「お茶を頂戴できますか?」とか「申込用紙を頂戴できますか?」といったもの。つまり、「頂戴できますか?」というのは、「○○をください」を丁寧に言ったものなのです。

 ということは、「お名前を頂戴できますか?」では、「あなたの名前をもらえますか」「あなたの名前をください」という意味になってしまいますね。

 落語や歌舞伎などであれば、「師匠の名前を頂戴し…」という言い方も間違いではありません。しかし、一般の人が名前を誰かにあげたり、誰かからもらうということはありませんから、「お名前を頂戴」という言い方がヘンだというのがわかるでしょう。

 この言葉は「バイト敬語」の一つとして、よく耳にします。バイト敬語とは、レストランやファーストフード店、コンビニなど、アルバイト店員が多い業界で言葉遣いをマニュアル化したもの。その中に、間違った言い回しが定着していて、日本語の乱れにつながると言われているものです。

 もし、相手の名前を教えて欲しいのなら、「お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」、「お名前を教えていただけますでしょうか?」「お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」というのが正しい日本語です。

あるいは、もう少しシンプルに、「お名前を教えていただけますか?」「お名前をお聞かせください」といっても大丈夫です。

 また、「おそれいりますが」と、前置きをしてから聞くと、より一層丁寧な印象を与えられます。

 実は、この「お名前を頂戴できますか」は、「お名刺をちょうだいできますか?」がごっちゃになってできた新語だとも言われています。

 同様に「お名前をいただけますか?」も間違いなので覚えておきましょう。

■お客様の名前を伺う場合は

× お名前を頂戴できますか

〇 お名前を伺ってもよろしいですか

× お名前をいただけますか

〇 お名前を教えていただけますか

【ポイント】名前は、あげたり貰ったりしない

『一言で印象が変わる さすがと思われる話し方』より構成】

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本郷 陽二

ほんごう ようじ

1947年東京都生まれ。幸運社代表。早稲田大学文学部卒業。

光文社カッパブックス編集部でベストセラーとなった

『冠婚葬祭入門』(塩月弥栄子著)のシリーズなどを担当。

その後、話し方や歴史関係の著作やプロデュースで活躍。

主な著書に『日本人が「9割間違える」日本語』(PHP研究所)、

『頭がいい人の敬語の使い方』(日本文芸社)、

『人を動かす「ほめ言葉」』(中央公論新社)、

『上流の日本語』(朝日新聞出版)、『「知」の強化書』(小学館)、

『使いこなしてみたい「和」の言葉』(実務教育出版)などがある。

最新刊は『一言で印象が変わる さすかと思われる話し方』

(KKベストセラーズ・ベスト新書)


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