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信長流セルフプロデュース入門

季節と時節でつづる戦国おりおり第424回

 前回、フロイスは摂津国の富田と芥川で伝染病を回避しました。そして441年前の永禄12年3月13日(現在の暦で1569年4月9日)、フロイスが織田信長から京での居住の自由を保障される。

 宣教師・ルイス・フロイスは、織田信長に京での居住の自由を保証して貰うための献上品として銀の延べ棒3本をようやく工面しましたが、後援者の和田惟政がそれでは足りないと7本を貸してくれ、銀10本を持って信長のもとを訪れます。ところが、信長は笑って「そんな事で金銭の贈与を受ければ予の品位は失墜する」と言い、無償で朱印状を発給しました。

 その内容は、「伴天連(バテレン。宣教師)が都に居住するについては、彼に自由を与え、他の自国人が義務として行なうべきいっさいの事を免除す(後略)」というもの。

 地球が丸い事を日本で最初に理解したのが信長だと言われていますが、彼の世界観は、外国から見た日本、自分というものを客観的に捉え考える力を持っていたのではないでしょうか。

 天下統一に邁進する中で、自分の存在をワールドワイドに発信し、自己を演出してみせた信長という男、やはりスケールが違うようです。

フロイスが信長に面会した二条御所工事現場あたり。

 

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橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


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