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一流のキャッチャーは打者のどこを観察しているのか。

古田敦也氏のプレゼンショーから見えた「キャッチャーの目線」

■バッターの「構え」はどう指導すればよいのか

 指先が外を向いた「ハの字」の状態で構えているバッターがいたとする。果たしてこのバッターは何を考えてバッターボックスに立っているのだろうか。2015年に野球殿堂入りをするなど、キャッチャーとして輝かしい実績を残してきた古田敦也氏はこう考える。
「(外向きの)ハの字で構えているということは、腰を回したくない。ということは反対方向に打ちたい」

 

 これは、2月27日に行われた「ALE14(エイル・フォーティーン)※」に登壇した古田敦也氏の言葉を要約したものである。「良い指導者になろう」をテーマに「14分×4回」のプレゼンを行った(後半2回は中西哲生氏とのクロストーク)古田氏は、これまで当たり前のように言われてきたバッティング理論に疑問を投げかけた。

「両脇を締めて打ちなさい。そう言われてきました。でもそれは本当でしょうか。これからWBC(ワールドベースボールクラシック)が始まるので注目してもらいたいのですが、キューバの選手などは構えたときに脇が空いています。これはダメな打ち方なのか?」
 野球経験者ならば「構えるときは脇を締めなさい」と言われたことがあるだろう。古田氏は言う。
「実際に打つ瞬間には脇が締まっていないと力が入りません。だから、どうせ締めるのであれば最初から締めて打ちなさい、というのが日本の理論。一方で、どうせ最後には締めるのだから、最初は脇が空いていた方が力が入るんじゃないかというのが外国の考え方。強く打ちたい、大きなホームランを打ちたいという思いが強いから脇を空けるわけです。最近では、日本でもオリックスの中島(宏之)選手や西武の浅村(栄斗)選手など脇を空ける選手が増えてきました。彼らも強く打ちたいから空けているわけです」

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オフィシャルサイト
http://ale14.com/

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