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「自分を守るために嫌なことから目を背けよう」コロナ緊急事態宣言下で私たちがやるべきこと

【コロナ禍ライフハック】


今、誰もが不安を抱えている社会問題の一つは新型コロナウイルスであることは間違いない。緊急事態宣言が出され、今までどれほど「不要不急の外出」が私たちのQOL(Quality of Life:生活の質を上げていたのか、痛感している。そんなコロナ禍で多くの書店がクローズしている中、3冊目の著書となる『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」ライフハック』を先日上梓した。こちらは発達障害当事者126名にアンケートを取り、障害の特性で生きづらくなっている部分をどう工夫して乗り越えているのか、通称「発達ハック」をまとめた一冊となっている。本書の趣旨に沿って「ハック(うまくやり抜く)」という観点からコロナ禍でやるべきことを記してみた。


◼️発達障害とコロナ禍

ここで、簡単に発達障害について説明したい。発達障害は主に不注意や衝動的な言動の多いADHD(注意欠如多動性障害)、主にコミュニケーションに困難が生じたり、特定の反復行動を好むASD(自閉スペクトラム症)、知的な問題はないのに読み書きや計算が難しいLD(学習障害)の3種類に分かれている。これらは生まれつきの脳の特性で、今のところ治ることはないと言われている障害だ。また、特性の濃度も人それぞれで十人十色だ。そして、何を隠そう私もその当事者のうちの一人。私の場合、算数LDの特性が最も強く、繰り上がり・繰り下がりのある計算や%の計算がぱっとできない。また、不注意傾向もありケアレスミスが多い。ASDも傾向がある程度と言われている。

そんな発達障害者はその生きづらさからうつ病双極性障害パニック障害などの二次障害を抱えていることが多い。私も二次障害として双極性障害と摂食障害がある。

話はコロナに戻る。コロナの影響によって私たちの生活は大きく変わった。不要不急の外出自粛要請リモートワークの推奨など。中でもASDの特性を抱える人は急な変化が苦手で一定のルーティーンを好む傾向がある。そんな中、急に外出自粛だのリモートワークだの言われたら戸惑ってしまう。また、健常者以上にコロナの不安に襲われて一日中コロナについて調べている当事者もいる。

私も毎日コロナのニュースをテレビでチェックしており、人気(ひとけ)の少ない渋谷スクランブル交差点の映像や、専門家のコメントを聞きながら不安を抱えていた。今一番の不安は、私は一人暮らしの猫飼いなので、もし感染して治療が必要となった際、誰が猫の面倒を見るのだろうかというところだ。できるだけ外出を控えているが、どうしても対面取材が必要で外出する日もある。消毒液が高騰してなかなか手に入りづらい中、ネットを徘徊して普段の倍以上の値段になっているアルコールスプレーを大量に購入し、外出するときは必ず持ち歩いている。他にもネットでの買い物が以前より増えた。デパートが閉まっていてショッピングに行けないので、ネットで購入したり、リモート会議での画質を上げるためにノートPCに内蔵されているカメラではなく、外付けのWEBカメラやレフ板など、普段なら買わないものも購入している。私は散財することで不安を紛らわせようとしているようである。

そんな話を心療内科の主治医にすると、「なるべくコロナに関する映像のニュースを見ないように」と言われた。主治医曰く、映像のニュースは刺激が強すぎて不安の材料になってしまうという。なので、新聞やネットニュースなどの文字のみの情報収集を勧められた。2011年に起こった東日本大震災の際も、被害を受けていない西日本の人たちがPTSD(心的外傷後ストレス障害)や精神的な不安に陥ったのは、おぞましい津波の映像のニュースを繰り返し観たからだと主治医は語った。それほど映像は情報量が多いのだ。

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姫野 桂

ひめの けい

フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好きすぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。 著書に『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)。 趣味はサウナと読書、飲酒。

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