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治らない痛みの8割は骨盤のゆがみが原因。日常の「あの運動」で解消できる!

痛みの専門家•伊藤和憲先生が伝授する「痛みのセルフケア」<8>

「病院に行っても悪いところが発見できなかった」「もう何年も痛みが続いている」という慢性痛患者に、薬や手術に頼らないセルフケアを説く「痛みの専門家」伊藤和憲先生。『慢性痛は自分で治せる!』を刊行した、伊藤先生に「あなたの痛みが治らない理由」を聞く。

◇「骨盤のゆがみ」は危険!片足計測法でゆがみをチェック

 最初は1カ所だけの痛みが、放置することで全身に広がっていく慢性痛。痛みを長引かせることは大変危険で、一生その痛みと付き合っていかなければならないかもしれません。
 だからこそ、痛みを感じたら、それ以上長引かせることなく、先手を打つのが得策です。そこで注目してもらいたいのが、「骨盤のゆがみ」です。

「骨盤がゆがんでいるとしても、体のバランスが少し崩れているだけでは?」と思われる人もいるかもしれません。実際に骨盤のゆがみは病気のイメージと直結しにくいのも事実です。

 

 骨盤のゆがみを改善するストレッチや筋トレに加えて、取り入れたいのが、足を5センチ高く上げる歩き方。歩くということは体のバランスを保つ上で最も基本の運動となり、日常生活で少し気を付ければいいだけという手軽さもポイントです。 

 しかし、骨盤は体を支える重要な役目を担っているため、そのゆがみを放置しておくと、腰痛や膝痛、股関節痛といった痛みだけではなく、冷え性や生理不順、便秘など、様々な体の不調を引き起こします。慢性痛の症状へと進んでしまわないためにも、早めに骨盤の状態を把握しましょう。ストレッチや筋トレを活用し、骨盤を正しい位置へと戻すよう心がけてください。

 その方法は、普段より心持ち高めに足を上げて歩くよう意識すること。いつもより足が上がっていると実感できれば大丈夫です。足を高く持ち上げるためには、骨盤が正常な位置でないと行ないにくいため、大腿四頭筋(骨盤前面から膝にかけて伸びる筋肉)やハムストリングスなどが鍛えられ、次第に骨盤が正しい位置へと戻っていきます。同じような効果として、階段昇降もおすすめです。即効性はありませんが、続けることで効果が次第に実感でき、体のバラ
ンスを根本から治すことができます。

 毎日できる体の確認方法として、体のバランスを簡単にチェックできる「片足計測法」があります。ごくカンタンなので、ぜひ一度試してください。
(方法は、床に、A4サイズの半分(縦21センチ×横14.8センチ)ぐらいの紙をおきます。そしてその紙に、片方の足をのせてください。さあ、あなたは、何秒ぐらい、片足立ちができるでしょうか? 片足立ちは、目は開けたままでしていただいて構いません。

 年代別の目安を示しておきましょう。

 

 骨盤を軸とする姿勢のゆがみがある人は、全身の筋肉が硬くなっていて、体のバランス感覚も低下しています。これを予防するには、どの程度のバランス感覚があるのかを把握することが大切です。この片足計測法は、あなたのバランス感覚が低いのか高いのかを簡単に計測できます。
 

 各年齢別の平均値と自分のパフォーマンスを照らし合わせたときに平均値より低ければ、体のバランスが悪くなっている証拠です。ストレッチや筋トレ、

「5センチ足を高く上げる歩き方」などを行なって、バランス感覚を改善しましょう。

『慢性痛は自分で治せる!』より構成

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伊藤 和憲

いとう かずのり

明治国際医療大学教授。鍼灸学博士。全日本鍼灸学会理事。大阪大学医学部生体機能補完医学講座特 認研究員。1972年生まれ。2014年4月、厚生労働省の科学研究費を得て「慢性痛患者のためのセルフケアガイドブック」を作成。明治国際医療大学京都桂川鍼灸院「mythos361」 院長を務め、「はり・きゅう」の治療に当たるとともに、慢性痛患者のためにセルフケアを指導。また、地下鉄サリン事件やJR福知山線脱線事故の被害者の「痛み」ケアにも当たっている。専門家や一般市民に向けて年に50回以上の講演を行なっている。


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  • 2017.01.21