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電車に乗って飯坂温泉日帰り旅

「花ももフリーきっぷ」で東北の名湯へ

雪に埋もれた飯坂温泉駅

 線路は一本だけだが、コの字型のホームに囲まれた小さいながらも終着駅らしい雰囲気がある。階段をあがると駅舎があり、外へ出て振り返ると和風の建物が好ましい。15年くらい前に来たときの記憶とは異なるので調べてみると、2010年末に改装したとのことである。

 

 かつて芭蕉が訪れたこともあり、駅前広場に記念碑も立っているが雪に埋もれていて、近寄れなかった。目指す温泉は駅から5分くらいのところにあるとのことだったが、雪道を恐る恐る歩いて行ったので、10分程かかった。寒さに震えて到着したせいで、湯に浸かると温まり、ゆっくりとくつろぐことができた。

花ももの湯入口

 帰りは、フリーきっぷということで途中下車を試みた。とはいっても、寒さに震えながら電車を待つのも億劫なので、時刻表を子細に検討して、桜水と花水坂の2駅を選んだ。すなわち、車両基地のある桜水で下車すると、隣の笹谷ですれ違った電車が5分程でやってくる。ホームから車両基地を撮影しているとあっという間だ。一旦飯坂温泉方面へ戻り、花水坂で降りると、その電車は飯坂温泉駅ですぐに折り返すので、やはり5分ほどでやってくる。こうして2駅の途中下車を楽しんで福島駅に戻り、新幹線で帰路についたのであった。

 

野田 隆

のだ たかし

1952年名古屋生まれ。日本旅行作家協会理事。早稲田大学大学院修了。 蒸気機関車D51を見て育った生まれつきの鉄道ファン。国内はもとよりヨーロッパの鉄道の旅に関する著書多数。近著に『ニッポンの「ざんねん」な鉄道』『シニア鉄道旅のすすめ』など。 ホームページ http://homepage3.nifty.com/nodatch/

 

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