【脳梗塞の出版局長】半身不随から復活できるのか!?  歴史的酷暑とは無縁の快適リハビリ生活。とはいえ〝立って歩くこと〟が大困難の巻【真柄弘継】連載第4回 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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【脳梗塞の出版局長】半身不随から復活できるのか!?  歴史的酷暑とは無縁の快適リハビリ生活。とはいえ〝立って歩くこと〟が大困難の巻【真柄弘継】連載第4回

【新連載】脳梗塞で半身不随になった出版局長の「 社会復帰までの陽気なリハビリ日記」163日間〈第4回〉

イメージ写真(PIXTA)

 

新たな禁断の領域へーー車椅子の身には、果てしなく遠い場所

 

次の日も新たな禁断の領域へ。

5階は外の屋上へ出られるトレーニングコースになっている場所だ。

歩く練習がメインだから車椅子の身には、果てしなく遠い場所であった。そこを杖を使って歩いたのだ!

限りなく外の道を模して作られたトレーニングコースだけに、凸凹で歩きにくさマックス。

その中でも比較的平坦な場所を歩いた。

屋内のトレーニングコースと大差なく歩けたのは嬉しかった。

更に部屋の中を杖で歩くのが許可されるかを見極める準備段階となった。

これまでトレーニングルームで直線を何度も歩く練習をしてきた。

一周するのに4つの広くゆったりしたコースがあるから歩きにくさはない。

反対に室内は小回りばかりで、トレーニングルームみたいな訳にはいかないのである。

バランスを崩さず、身体がふらつかないで部屋の中を移動出来るかを見極められるのだ。

このチェックを複数のセラピストさんにしてもらい、全員の許しが出て初めて合格となる。

早々にセラピストさんにチェックを受け、大丈夫との判定をもらった。

月曜日から本格的にチェック。

杖で部屋の中を移動できるだろうか?

気を引き締めて次なる段階に胸を踊らせている(笑)

 

 

◾️8月25日月曜日

日曜日は朝の自主トレとリハビリ以外は休みとした。

今日は身体が鈍ってないか心配。

最初は足のリハビリ。

久しぶりに入ってくれたセラピストさんに、

「まずは歩き方を見せてもらいます」

と言われ車椅子から立ち上がり一歩踏み出した。

あら? なんだか思いどおりに足を着けた!

ホンの数歩だけど、真っ直ぐに進めたのであった。

この後はバランスの練習。]

人間はいかに無意識に身体のバランスをとっているのか、今更ながら思い知った。

足を前後に置いて前に後ろに重心。

これだけの動作で息が上がってしまうのである。

麻痺した足と手を動かす練習は、どれほど困難なことなのか、なってみないと分からないものだ。

 

二つ目は手の練習。

手に神経の動きを電機信号で読み取るMELTz(メルツ)[注]という機械を着ける。

物を掴んで離すのだが、最近は腕の中の神経がしっかり動きをだしているようだ。

その信号をキャッチした機械が動きを補佐するのだ。

視覚的にも動きが分かり、開くときはグラフが緑となり、掴むときは青になる。
メルツを着けた最初の頃は青ばかりで、正直緑になるとは全然思えなかったのだ。

リハビリテーション病院に来て2ヶ月。

まだ自分の手の筋肉の力では指の開きは出来ない。

だが神経は生きている。

機械が助けてくれて握ったり開いたりできるようになった。

 

[注]
MELTz(メルツ)
MELTz(メルツ)は手指の運動機能回復に特化したロボットリハビリテーション機器です。 AIが筋肉の電気信号を分析し、患者さんが行おうとしている動きを認識することでスムーズな手指の運動をロボットによってアシストします。 正しい手指の運動を繰り返すことで、脳神経系による運動の再学習を促進します。

 

三つ目も手のリハビリ。

今度は腕の筋トレをベッドに仰向けに寝ながら行った。

ベッドに横たわり、そのまま右腕を真っ直ぐ上に伸ばす。

そこで止めて10秒。

伸ばしたときとは反対にゆっくり降ろす。

これを10回。

次は仰向けで腕を伸ばした状態で手首から上で小さく円を描く。

これまた難しくて手首から先のコントロールが効かず、カクカクとしか円を描けなかった。

最後に伸ばした腕を肘を曲げて指先で鼻を触る。

5回したら息が上がってはぁはぁとなった。

寝ながらの練習なのに前身に力が入って、特に左腕がなぜか痛くなってしまう。
最後は左腕をマッサージしてもらった。

セラピストさんから、

「左腕はストレッチしてます?」

と聞かれ、「マッサージも入院(6月8日)してから初めてかも」

と答えたら、

「あちこちコリコリになってますよ」

と言われ、左腕頑張ってるなと感動したのである。

最後は足のリハビリ。

バランスの練習や歩く練習。

残り時間でストレッチをしっかりしてもらい終了。

リハビリの空き時間はマシン。

今週から時間を5分から10分に延ばして踏み込む。

部屋でも新しく脚の振り出しの練習をする。

週始めからたっぷりとリハビリをしたのであった。

次のページ目が飛び出るほど痛いリハビリがこれだ!

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★初の女性新首相・高市早苗「政治家の原点」がここにある★

アメリカ大統領の権力のすべて』待望の新装重版

 

民主主義国家の政治をいかに動かし統治すべきか?

◎トランプ大統領と渡り合う対米外交術の極意とは?

★政治家・高市早苗が政治家を志した原点がここにある!

 

「日本は、国論分裂のままにいたずらに時間を食い、国家意志の決定と表明のタイミングの悪さや宣伝下手が災いし、結果的には世界トップ級の経済的貢献をし、汗も流したにもかかわらず、名誉を失うこととなった。

 納税者としては政治の要領の悪さがもどかしく悔しいかぎりである。

 私は「国力」というものの要件は経済力」、「軍事力」、そして「政治力」だと考えるが、これらの全てを備えた国家は、現在どこにも存在しない。

 (中略)

 そして日本では、疑いもなく政治力」がこれからのテーマである。

 「日本の政治に足りないものはなんだろう?」情報収集力? 国会の合議能力? 内閣の利害調整能力?  首相のメディア・アピール能力?  国民の権利を保証するマトモな選挙?  国民の参政意識やそれを育む教育制度?

 課題は随分ありそうだが、改革の糸口を探る上で、アメリカの政治システムはかなり参考になりそうだ。アメリカの政治にも問題は山とあるが、こと民主主義のプロセスについては、我々が謙虚に学ぶべき点が多いと思っている。

 (中略)

 本書では、行政府であるホワイトハウスにスポットを当てて同じテーマを追及した。「世界一強い男」が作られていく課程である大統領選挙の様子を描写することによって、大統領になりたい男や大統領になれた男たちの人間としての顔やフッーの国民が寄ってたかって国家の頂点に押し上げていく様をお伝えできるものになったと思う。 I hope you enjoy my book.」

(「はじめに」より抜粋)

 

◉大前研一氏、推薦!!

 「アメリカの大統領は単に米国の最高権力者であるばかりか、世界を支配する帝王となった。本書は、連邦議会立法調査官としてアメリカ政治の現場に接してきた高市さんが、その実態をわかりやすく解説している。」

 

ALL ABOUT THE U.S. PRESIDENTIAL POWER

How much do you know about the worlds’s most powerful person―the President of the United States of America? This is the way how he wins the Presidential election, and how he rules the White House, his mother country, and the World.

<著者略歴>

高市早苗(たかいち・さなえ)

1961年生まれ、奈良県出身。神戸大学経営学部卒業後、財団法人松下政経塾政治コース5年を修了。87年〜89年の間、パット•シュローダー連邦下院議員のもとで連邦議会立法調査官として働く。帰国後、亜細亜大学・日本経済短期大学専任教員に就任。テレビキャスター、政治評論家としても活躍。93年、第40回衆議院議員総選挙奈良県全県区から無所属で出馬し、初当選。96年に自由民主党に入党。2006年第1次安倍内閣で初入閣を果たす。12年、自由民主党政務調査会長女性として初めて就任。その後、自民党政権下で総務大臣、経済安全保障大臣を経験。2025年10月4日、自民党総裁選立候補3度目にして第29代自由民主党総裁になる。本書は1992年刊行『アメリカ大統領の権力のすべて』を新装重版したものである。

 

 

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真柄弘継

まがら ひろつぐ

現役出版局長

1966年丙午(ひのえうま)126日生まれ。

1988年(昭和63)に昭和最後の新卒として出版社に勤める。

以来、5つの出版社で販売、販売促進、編集、製作、広告の職務に従事して現在に至る。

出版一筋37年。業界の集まりでは様々な問題提起を行っている。

中でも書店問題では、町の本屋さんを守るため雑誌やネットなどのメディアで、いかにして紙の本の読者を増やすのか発信している。

 

2025年68日に脳梗塞を発症して半身不随の寝たきりとなる。

急性期病院16日間、回復期病院147日間、過酷なリハビリと自主トレーニング(103キロの体重が73キロに減量)で歩けるまで回復する。

入院期間の163日間はセラピスト、介護士、看護師、入院患者たちとの交流を日記に書き留めてきた。

自分自身が身体障害者となったことで、年間196万人の脳卒中患者たちや、その家族に向けてリハビリテーション病院の存在意義とリハビリの重要性を日記に書き記す。

また「転ばぬ先の杖」として、健康に過ごしている人たちへも、予防の大切さといざ脳卒中を発症した際の対処法を、リアルなリハビリの現場から当事者として警鐘を鳴らしている。

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