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10年前の紅白。そして男子が憧れたSMAPとKAT-TUNの時代。

2017年6月号で創刊20周年を迎える『STREET JACK』。そのバックナンバーを紐解きながら、当時の若者ファッションシーンを振り返ります。

 

あのとき、原宿は「保守vs革新」の時代であった!

 

2016年の原宿を中心とするファッションシーンは、ある意味で実に成熟したひとつの国家のようである。
きゃりーぱみゅぱみゅ以来のKAWAIIファッションはありつつも、一般男子の着こなしはわりとみんな、ある程度の共通項がある。
今年の冬もゆるっとしたロングコートの何と多いことか。

しかし、10年前の原宿はというと…。

 

写真を拡大 原宿の「保守」である、裏原&ドメス派と、古着MIX派。長らく原宿に君臨し、地元に根ざしたファッションシーンを確立していたが…。

写真を拡大 一方、「革新」の2派閥がこちら。青山方面から進出してきた「サロンボーイズ」と、渋谷方面から侵攻してきた「ワイルドセレブ」(ネーミングについては後述)。

 

 

まさに、
ファッション紛争地帯!

 

すでに原宿で長くメインストリームを張っていた、エイプやステューシーなどをこよなく愛する「裏原&ドメス系」と、当時やや落ち着いたものの老舗古着店を中心に根強いファンが多かった「古着MIX系」。
彼らを原宿の「保守」とするなら、まさに彼らは「革新」だった。

まず表参道ヒルズの完成と前後し、キレイめにシフトした街の雰囲気に合わせるように青山・表参道方面のサロンからハントの美容師が続々と原宿方面に投入されるようになる。彼ら、もしくは彼らに憧れたファッションに身を包んだ層は「サロンボーイズ(サロン系)」と呼ばれ、やがて現在の読モの元祖が誕生していくことになるのだが…それはまだ少し先の話である。

そして、渋谷方面からも109系ファッション、いわゆるお兄系、ギャル男系とも言える方々が(なぜか)原宿に集まりだす。彼ら、渋谷からの原宿流入民族を何と呼ぶか、各ファッション誌が独自にいろいろ考えだす。そして苦心の末ストリートジャックが編み出したトライブ名が…「ワイルドセレブ」(苦笑)!何も言ってないに等しいが、なんだかしっくりくる絶妙さ!

 

写真を拡大 原宿ではグラム、ヴァンキッシュなどの新興ブランドが勃興。原宿=エイプ、という時代は静かに、そして激しく動き出していた。

そんな4つのトライブが混沌とした世界を作り上げ、どのトライブが原宿ストリートの天下を取るのか…戦国時代、いやゲリラ戦の様相を呈していたのである。いや、10年経ってみると、そんな原宿も平和になったことよ(遠い目)。

 

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