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異様な医学部人気を憂う 受験エリートがゲーム感覚で受験も

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◆受験エリートたちはゲーム感覚で医学部受験?

 しかし橘木氏は昨今の過熱する医学部人気に関して、受験エリートたちが「医師になるつもりがない」のに受験するケースも目立つと指摘する。

 「(私の母校でもある)灘高校からは東大医学部、京大医学部にそれぞれ毎年20名以上が合格し、進学していますが、200名の高校生のうち80名も90名も医学部に進学するというのは異様な状況です。おかしなことです。灘校などでは偏差値の高い学生たちの中に『医学部に合格すれば入試の成功者だ』という変な意識があるようなのです。医者になりたいという気がないのに、偏差値が高いから、偏差値表の一番上に名前があるから、というだけで京大医学部、東大医学部合格が入試の成功だと思ってしまう」

 「そんなことで医学部に行かれては、たまりません。ただ頭がいいからと医師になられても、いい医者になれるとは限りません、また、いざ医学部に入学したものの、血を見て卒倒するとか、『どうも医師には向いていない』と気づいて、ドロップアウトする人も多いと聞きます。これは不幸なことです」

 折しも現在、国立大学医学部生らの事件が世間を騒がせている。厳しい言い方をするようだが、「医師には向いていない」医学部生が増えているのも事実ではないだろうか。ますます過熱する医学部人気。だが改めて医学部・医師の尊厳が問われている。

 

 

 

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