安倍政権という泥船から逃げ出す国賊たち ─新型コロナウイルスは総理大臣に忖度しない─ |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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安倍政権という泥船から逃げ出す国賊たち ─新型コロナウイルスは総理大臣に忖度しない─

新型コロナウイルスは総理大臣に忖度しない②

■自発的に隷属への道を選択させる情報操作の手法

 プロパガンダの技術を政治に応用するのはケシカランなどと、生徒会の優等生みたいなことを言いたいわけではない。その語源はラテン語のpropagare(繁殖させる、種をまく)であり、特定の思想を拡散させる技術と考えれば、それは政治そのものである。

 しかし、技術が人間を破壊することもある。

プロパガンダは特定の観点を受け手に伝達することであり、その最終的な目標は、受け手がその立場があたかも自分自身のものであるかのように「自発的に」受け入れるようにすることにある》(前掲書)

 強大な権力が情報を押し付けても無駄である。心理学の知見を駆使し、自発的に隷属への道を選択するように情報を操作する。そのためにはテンプレートがあらかじめ用意される。

 例えば「既得権益を握っている悪い人間がいるからだめなんだ」といった具合だ。守旧派、抵抗勢力、伏魔殿……どこかに悪を設定し、それを「改革」する姿勢を見せることにより、大衆のルサンチマンを吸収し、拡大する。その背後では常に危機が演出される。

 人間の脳は認知した情報をすべて処理するのではない。

人間の情報処理の能力には限りがあるので、複雑な問題を単純化する周辺ルートを採用することが多い。何か良い理由があるからではなく、単純な説得の小道具につられて、よく考えずに結論や主張を受け入れてしまうのである》(前掲書)

 人間は理解できないことや自分の世界観に合致しない事実を提示されると、自分を守るために事実のほうを歪めていく。社会心理学者のレオン・フェスティンガーは「認知的不協和」という言葉を作った。一貫しない二つの認知があると人間は不快になる。特に自尊心が脅威にさらされると、歪曲、否認、自己説得が行われる。

 われわれはその事例を日々目の当たりにしてきた。

「保守」「ナショナリスト」がナショナリズムを解体するグローバリストの安倍を礼賛する一方、頭の悪い一部の左翼は「戦後レジーム」を確定させた安倍を「戦前回帰の復古主義者」と誤認する。自分の世界観に合わせて、都合よく現実を解釈するわけだ。

アメリカの大統領は、状況を分析し合理的に行動するために必要な情報を市民に提供することを拒否してきた。本当の意味で不幸なのは、多くのアメリカ人がシニカルな態度を抱き、自分たちが欺き導かれることを当然のこととして受け入れるようになってしまったことだろう》(前掲書)

 日本で発生した現象も同じだ。

 多くの日本人が政治に対してシニカルな態度を取るようになったとき、心理学から動物行動学まであらゆる知見が悪用され、人間を傷つけ始めた。

 私は「国賊」という言葉は安易に使うべきではないと思う。これは、都合の悪い人間にレッテルを貼るために使われてきた。例えば戦時中に戦争に反対すると「国賊」「売国奴」「非国民」と罵倒された。しかし、戦争に反対することが、国家に仇するとは限らない。それどころか、無謀な戦争は国を壊す。

 言葉は厳密に定義し、かつ正確に使わなければならない。

 私は安倍を罵倒するために「国賊」と言っているのではない。

 事実として、国を乱し、世に害を与えてきた者について考えていく上で、正確な言葉を選んだだけである。

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  • 収, 適菜
  • 2019.07.08